野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「八、何んか良い事があるのかい、大層嬉しさうぢやないか」 「へツ、それほどでもありませんよ親分、今朝はほんの少しばかり寢起がいゝだけで――」 ガラツ八と異名で呼ばれる八五郎は、さういひ乍らも湧き上がつて來る滿悦を噛み殺すやうに、ニヤリニヤリと長んがい頤を撫で廻すのでした。 相手になつてゐるのは、江戸開府以來の捕物の名人と言はれた錢形の平次、まだ三十そこ/\の苦み走つた良い男ですが、十手捕繩を持たせては、江戸八百八町の隅々に、魑魅魍魎のやうに暗躍する惡者共を番毎顫へ上がらせてゐる名題の名御用聞です。 「叔母さんから纒まつたお小遣でも貰つた夢を見たんだらう」 「そんなケチなんぢやありませんよ、憚り乍ら濡れ事の方で、へツ、へツ」 「朝つぱらから惚氣の賣り込みかい、道理で近頃は姿を見せないと思つたよ。ところで相手は誰だ、横町の師匠か、羅生門河岸の怪物か、それとも煮賣屋のお勘子か――」 平次はそんな事をいひ乍ら朝の膳を押しやつて、貧乏臭い粉煙草をせゝるのでした。 「もう少し氣のきいたところで――」 「大きく出やがつたな、年中空つ尻のお前が入山形に二つ星の太夫と色事の出來るわけはねえ、それとも大名
野村胡堂
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