牧野信一 · 일본어
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원문 (일본어)
適量の日本酒を静かに吟味しながら愛用してゐれば、凡そ健康上の効用に此れ以上のものは無いといふことは古来から夙に云はれて居り、わたしなども身をもつてそれを明言出来る者であつたが、誰しも多くの飲酒者は稍ともすれば感情のほとばしるに任せては後悔の種を育てがちになるのも実にも通例の仕儀ながら、わたしも亦その伝で銀座通りなどをおし歩きながらウヰスキーをあをりつゞけたお蔭で、例に依つて例の如く、終ひに閑寂なる療養生活に没頭しなければならなくなつた。兎も角、十何年もの間それに親んで来たものが、一朝にして盃を棄てなければならないといふ段になると容易ならぬ騒動だつた。おそらくそれは失恋者でもあるかのやうな止め度もなく呆然たる日々を持てあまさずには居られなかつた。はぢめの半年は小田原の郊外に移つてゐたが古なぢみの酒友が仲善くて、返つて飲む日が多くなるので、いつそわたしは思ひ切つて、全くはぢめての土地である三浦半島に移つて、横須賀に寓居を定め、金沢、浦賀、三崎、城ヶ島、油壺などゝ、歩いては泊り、泊つては歩いた。恰も、失恋にぼんやりしてゐる友達を慰めてやるかのやうに、酒を飲みたがらうとする自分に向つて、別の自
牧野信一
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