牧野信一 · 일본어
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원문 (일본어)
私は昨今横須賀に住んで、夙に病弱の療養に専念してゐる。それを第一の仕事にしてゐる。小田原からここに移つて、二ヶ月あまり経つた。私にとつての療養の第一は酒を慎しむことである。寧ろ絶対に酒の色香を忘れなければならぬのである。私は従来、あまりに久しく恋愛に迷つたためしはないが、それでも昔学生服を着てゐた時分に、忘れ給へ、忘れ給へ、否応なく忘れるより他はどうするといふ術のありやう筈はないんだもの――といふやうなことを友達から云はれても容易に忘れることの叶はなかつた一つ二つの思ひ出は持つてゐる。忘れられないで、半年も一年もぼんやりして独りで汽車に乗ることを専らにしたこともあつた。ところが昨今僕は、そんなことを云ふ友達は在る筈もないのだが、酒を飲みたがらうとする自分に向つて、別の自分が友達となつて、忘れ給へ、忘れ給へ、否応なく忘れるより他は――と忠告して、天気でありさへすれば散策へ誘ひ出すのだ。軍艦を見学し、飛行場へ通ひ、またあちこちの灯台を訪ねた。今日は家内と連れだつて浦賀へ向つた。湘南電車の終点から久里浜へ向ふバスに、「ペルリ行」といふ札が掛つてゐた。土地の者らしい人は、皆な、ただ、「ペルリ」
牧野信一
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