Vol. 2May 2026

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国民と思想

北村透谷

国民と思想 北村透谷 (1) 思想上の三勢力 一国民の心性上の活動を支配する者三あり、曰く過去の勢力、曰く創造的勢力、曰く交通の勢力。 今日の我国民が思想上に於ける地位を詳らかにせんとせば、少なくとも右の三勢力に訴へ、而して後明らかに、其関係を察せざる可からず。 「過去」は無言なれども、能く「現在」の上に号令の権を握れり。歴史は意味なきペーヂの堆積にあらず、

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国民性の問題

永井荷風

現代における芸術の問題は要するに日本の国民性全体についての問題である。芸術をお上の役人が検閲するのが好いとか悪いとかいって議論して見たところで、いまの一般社会がよくもならなければ悪くもなるまい。依然としていまの状態をつづけて行くにきまっている。しかし、社会に対する一つの刺戟にするのなら、問題にしてもいいと思うが、一体日本の現在の社会状態は女の腐ったようなもの

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国民性と文学

綱島梁川

国民性と文学 綱島梁川 今日の文学、就中小説に対する世間の要求の主なるものを挙ぐれば、現社会に密接して時事時潮を描けるといふもの其の一にして、国民性を描写して国民的性情の満足を与へよといふもの其の二なり。前者は姑く措く、後者の要求に対しては吾人頗る惑ふ。則ち問うて曰はく、国民性とは何ぞや、国民的性情の満足とは何ぞや、そも/\又此の要求に是認せらるべき点ありと

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国産自動車と価格の問題 ――自動車製造工業の一大難関――

豊田喜一郎

如何に良い自動車が出來ても、高價で經濟的に使用出來ぬものでは役にたゝぬ。自動車を使用するか使用しないかは結局値段の問題に落付くわけだ。果して日本ではどれ位の數量を作れば國産車として適當な値段で出來るであらうか。之は誰れもが知りたがる數字であるが、誰れも確答する事は出來ぬ。現在賣れる値段で賣らなくてはならぬ。賣れる値段とはどの位の値であるか。少くとも外國車より

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国立国会図書館

中井正一

国立国会図書館 中井正一 戦後の春、こんなところにと思われる爆撃の跡に、一杯に青草が生えて来た。 自然にとって戦争なんて、一つの物理的現象にしかすぎなかったのかとつくづく驚かされた。しかし、文化というか、十万年の人間の発生史の目指した大きな方向も決して、この五千年の歴史の制度のみに左右されてはいない。自然のこころに似た大きな広い流れが歴史の底にも流れている。

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国立国会図書館について

中井正一

国立国会図書館について 中井正一 歴史変革の任務 今年の冬の夜のことであった。 アメリカ国会図書館使節の招宴に金森館長と共に列席した。 参議院図書館運営委員長である羽仁氏はあいさつの席上で「自分は日本民主化のため、国立国会図書館の礎の下に身を横たえたい」とのべた。すると、使節の一人であるブラウン氏は「私は羽仁さんに申上げたい。貴方の席をちょっとあけて取って置

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国訳史記列伝 01 伯夷列伝第一

司馬遷

夫れ(二)學は載籍極めて博けれども、猶ほ信を六に考ふ。(三)詩書(四)缺けたりと雖も、然れども(五)虞夏の文知る可き也。堯將に位を(六)遜れんとするや、虞舜に讓る。(七)舜禹の間(八)岳牧咸薦む。乃ち之を(九)位に試み、職を典らしむること數十年、(一〇)功用既に興り、然る後政を授く。天下は(一一)重器・王者は(一二)大統・天下を傳ふる斯の若きの難きを示したる

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国訳史記列伝 02 管晏列伝第二

司馬遷

管仲夷吾は(一)潁上の人也。少き時常に鮑叔牙と(二)游ぶ。鮑叔、其賢を知る。管仲貧困にして、常に鮑叔を欺く。鮑叔終に(三)善く之を遇し、以て言を爲さず。已にして鮑叔は(四)齊の公子小白に事へ、管仲は公子糾に事ふ。小白立つて桓公と爲るに及んで、公子糾死し、管仲囚はる。鮑叔遂に管仲を(五)進む。管仲既に用ひられて政に齊に任ず。齊の桓公以て霸たり。諸を(六)九合し

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国訳史記列伝 03 老荘申韓列伝第三

司馬遷

老子は楚の苦縣の郷、曲仁里の人也。姓は李氏、名は耳、字は伯陽、諡をと曰ふ。周の(一)守藏室の史也。孔子、周に適き、將に禮を老子に問はんとす。老子曰く、『子の言ふ所の者は其人と骨と皆已に朽ちたり、獨り其言在る耳。且つ君子は、其時を得れば則ち(二)駕し、其時を得ざれば則ち(三)蓬累して行る。吾之を聞く、良賈は(四)深く藏して・虚なるが若く、君子は盛徳ありて容貌愚

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国訳史記列伝 04 司馬穰苴列伝第四

司馬遷

司馬穰苴は田完の(一)苗裔也。齊の景公の時、晉は(二)阿・甄を伐ち、而して燕は(三)河上を侵し、齊の師敗績せり。景公之を患ふ。晏嬰乃ち田穰苴を薦めて曰く、『穰苴は田氏の(四)庶なりと雖も、然れども其人、文は能く衆を附け、武は能く敵を威す。願はくは君之を試みよ』と。景公、穰苴を召して與に兵事を語り、大に之を説び、以て將軍と爲し、兵を將ゐて燕・晉の師を扞がしむ。

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国訳史記列伝 05 孫子呉起列伝第五

司馬遷

孫子武は齊人也。兵法を以て呉王闔廬に見ゆ。闔廬曰く、(一)『子の十三篇吾盡く之を觀る。(二)以て小しく試みに兵を勒す可きか』と。對へて曰く、『可なり』と。闔廬曰く、『試みに婦人を以てす可きか』と。曰く、『可なり』と。是に於て之を許す。宮中の美女を出し、百八十人を得たり。孫子分つて二隊と爲し、王の寵姫二人を以て各隊長と爲し、皆戟を持たしむ。之に令して曰く、『汝

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国訳史記列伝 06 伍子胥列伝第六

司馬遷

伍子胥は楚の人也。名は員。員の父を伍奢と曰ひ、員の兄を伍尚と曰ふ。其先を伍擧と曰ふ。(伍擧)直諫を以て楚の莊王に事へて、(一)顯なる有り、故に其後世、楚に名あり。楚の平王、太子有り、名を建と曰ふ。伍奢をして太傅たらしめ、費無忌をして少傅たらしむ。無忌、太子建に忠ならず。平王、無忌をして太子の爲めに婦を秦に取らしむ。秦の女、好し。無忌馳せ歸りて平王に報じて曰く

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デンマルク国の話 信仰と樹木とをもって国を救いし話

内村鑑三

曠野と湿潤なき地とは楽しみ、 沙漠は歓びて番紅のごとくに咲かん、 盛に咲きて歓ばん、 喜びかつ歌わん、 レバノンの栄えはこれに与えられん、 カルメルとシャロンの美しきとはこれに授けられん、 彼らはエホバの栄を見ん、 我らの神の美わしきを視ん。 (イザヤ書三五章一―二節) 今日は少しこの世のことについてお話しいたそうと欲います。 デンマークは欧州北部の一小邦で

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国語学と国語教育

時枝誠記

総督府の森田編修官から、国語教育について国語学の立場から何か書けと云ふ依頼を受けたのであるが、元来朝鮮に於ける国語教育の実践的な仕事に全然携つて居ない私は、国語教育それ自体に就いて云々する資格を持ち合せて居ない。しかし国語について絶えず関心を持ち、学生に対してもその方面の研究と興味とを喚起する様に心懸けて居る私としては、国語教育乃至国語問題と、私の研究との関

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国語学と国語教育との交渉 ――言語過程説の立場における――

時枝誠記

橋本進吉博士は、昭和十二年九月、「岩波講座国語教育」に、「国語学と国語教育」を執筆せられ、国語学と国語教育との交渉、並びに、国語学の国語教育への寄与する点を明かにせられた。(橋本進吉博士著作集第一巻「国語学概論」に転載)私は今ここで、博士の右の論文を手懸りとして、同じ主題に対する博士と私との見解の相違する点を明かにしようと思ふのである。 橋本博士の右の論文は

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「国語文化講座」監修者の言葉

岸田国士

「国語文化講座」監修者の言葉 岸田國士 国語問題はもはや論議の時代を過ぎて、着着実践の時代にはひつてゐると云つていいが、私はなほこの問題の含む領域が一層広からんことを望んでゐる関係上、あらゆる方面に於ける意見が出つくして、そのすべてを解決にみちびくやうな方策が国家としてとらるべきだと信じてゐる。局部的な、或は本末を考へない主張の乱立、対峙をこの際一応吟味整理

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国語と民俗学

折口信夫

国語と民俗学 折口信夫 一 国語と民俗学 私の題は非常に面白さうな題目ですが、私にはまだこの話を完全に申上げる事が出来ません。どうぞ、そのお積りで鷹揚に聞いて戴きたいと思ひます。守随さん、大間知さんそれに私、この三人で、柳田先生の代役を勤めてゐるもの、かう見て戴きたいと思ふのであります。併し、力は三人かゝつて行つても柳田先生に叶はぬ。さう申して私はかまひませ

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国語科学習指導要領試案(文法編)

時枝誠記

生徒 先生、私たちは何のために文法を学ぶのですか。先生 君たちが、正しく文章を読んだり、書いたりするためです。それには、ことばのきまり(法則、規則)をよく知つてゐなければいけません。文法はそのやうな法則を学ぶ学科です。生徒 でも、私たちは、ことばの法則を知らなくても、話をすることも、読むことも出来るやうに思ひますが……先生 確かにさうです。君たちは、もう、こ

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国語の自在性

西田幾多郎

文化の発展には民族というものが基礎とならねばならぬ。民族的統一を形成するものは風俗慣習等種々なる生活様式を挙げることができるであろうが、言語というものがその最大な要素でなければならない。故に優秀な民族は優秀な言語を有つ。ギリシャ語は哲学に適し、ラティン語は法律に適するといわれる。日本語は何に適するか。私はなおかかる問題について考えて見たことはないが、一例をい

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国語音韻の変遷

橋本進吉

言語は、すべて一定の音に一定の意味が結合して成立つものであって、音が言語の外形をなし、意味がその内容を成しているのである。かような言語の外形を成す音は、どんなになっているかを考えて見るに、箇々の単語のような、意味を有する言語単位は、その音の形は種々様々であって、これによって、一つ一つ違った意味を有する種々の単語を区別して示しているのであるが、その音の姿を、そ

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国防と文化

岸田国士

国防と文化 岸田國士 いよいよ事態が切迫して来たやうであります。それに対して国を挙げての準備は整つてゐるでありませうか。 議会でも、質問を中止して、直ちに予算の審議にはいりました。 国家総力戦の真のすがたが、国民一人一人の眼にはつきりわかる時が近づきつゝあります。 われわれはこゝで、国の力といふことを考へてみなければなりません。国の力、即ち国民の力であります

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国防と科学

中谷宇吉郎

近代戦では国防と科学とは切り離し得ぬものと一般に信ぜられているようであるが、自分の考えは少し違う。国防に必要なのは科学ではなくて科学者なのである。科学と云っても範囲があまり広すぎるので、念のために物理学に限定して考えてみるに、例えばマルコーニの無線電信の発明でも、電波の存在はヘルツによってずっと前に発見され、受信機のコヒーラーにしても、彼以前に数名の物理学者

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国際婦人デーへのメッセージ

宮本百合子

国際婦人デーへのメッセージ 宮本百合子 みなさま。 一九五〇年ということしの国際婦人デーこそ、世界のあらゆる国々で、平和を愛し、民族の独立をねがう婦人たちが、心からの願いに立って発言し、行動する日であると思います。 これまで婦人デーというと、社会主義の思想をもつ一部の婦人たちの間で行われる行事であるかのように考えられて来ました。そして、またそのように考えさせ

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国際学術会議への旅

仁科芳雄

國際學術會議への旅 仁科芳雄 私は昨年9月14日から16日まで,デンマークの首都コペンハーゲンで開かれた國際學術會議に,日本學術會議を代表して出席することになり,9月9日の朝2時すぎにパンアメリカンの飛行機で羽田を發った.そして翌朝未明に沖繩の那霸空港につき,1時間ばかりですぐ飛び立ち,香港に向った.途中は好い天氣であったが,香港に着いて聞くと,同地は昨日時

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