小川未明
小川未明 · Jepang
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小川未明 · Jepang
Pratinjau paragraf pertama
Teks asli (Jepang)
広い庭には、かきが赤くみのっていました。かきねの破れを直して、主人は、いま縁側へ腰を下ろし、つかれを休めていたのです。彼はこのあたりの地主でした。 裏門から、寺のおしょうさんが、にこにこしながら、入ってくるのを見ると、ちょっと迷惑そうな顔色をしたが、すぐ笑いにまぎらして、丁寧に迎えました。 「あまりごぶさたをしたので、前を通りかかったものだから。」と、おしょうさんは、いいました。 「どうぞ、すこしお上がりください。」 地主は、おしょうさんを、茶の間へ通しました。 「おお、ここのにわとりは、ねこを追いかけるな。」と、土間の方を見て、おしょうさんは、さもおどろいたように、大きな声でいいました。 「このあいだ、卵を産んだので、魚の骨をやりましたら、ねこの分まで、自分のものと思い、しようのないやつです。」 「ほ、ほう、なるほどしつけは、怖ろしいもんだな。教育のしかたで、いい子も、わるくなるから。」と、あとのほうを、おしょうさんは、ひとりごとのようにいって、立ち上がりました。そして、仏壇の前へすわり、静かにかねをたたき、お念仏を唱えたのです。そこには、軍服姿をした若者の写真が飾られ、お供え物が上
小川未明
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