金田千鶴
金田千鶴 · Jepang
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金田千鶴 · Jepang
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Teks asli (Jepang)
夏蚕時 金田千鶴 一 午過ぎてから梅雨雲が切れて薄い陽が照りはじめた。雨上りの泥濘道を学校帰りの子供達が群れて来た。森田部落の子供達だ。 山の角を一つ廻ると、ゴトゴト鳴いてゐた蛙の声がばったり熄んだ。一人の子がいきなり裾をからげて田の中へ入った。そしてヂャブヂャブさせ乍ら蛙を追ひ廻した。 「厭アだな! 秀さはまた着物汚してお父まに怒られるで……。」 後から来た女の子達のひとりが叫んだ。 「要らんこと吐くな!」 秀は捉へて来た蛙を掴んで挑んで行ったが、不図思ひ出したやうに、 「久衛、今日はこいつで蜂の巣探さんか」と云った。 「うん、へいご蜂をな!」 「俺らほの兄いまがこないだ一巣発見たぞ!」 男の子達は口々に叫んだ。秀は蛙の足を握って忽ちクルリッと皮を剥いた。そして棒の先へ串刺に刺した。蛙の肉へ真綿をつけて、その肉をくわへた蜂の行衛を何処迄も追ひ掛けて行く――そして巣を突きとめる、それは楽しい遊びの一つである。 何思ったのか不意に秀は頓狂な声を出した。 「ヤイ、蜂の子飯ァ旨いぞ!」と叫んだ。 「美知ちゃん!」女の子の一人が云った。 「わし、昨日晩方通った時御夕飯食べとっつらな!」 「何ん
金田千鶴
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