Vol. 2May 2026

Buku

Perpustakaan pengetahuan dunia domain publik

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Song of the Horse Cart

馬車の歌

牧野信一

佗しい村住ひの僕等が、ある日、隣り町の食糧品店に急用が出来て、半日がかりで様々な切端詰つた用事を済せた後に、漸く村を指して引きあげることになつた夕暮時の途すがらであつた。同行は、いつものやうに僕等と一緒に生活を共にしてゐる大学生のHとTと僕の細君と、そして村にあるたつた一軒の僕等がマメイドと称び慣れてゐる居酒屋の娘であるメイ子等であつた。 僕等は各自に食糧品

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馬上の春

牧野信一

私たちが、その村に住んでゐたころ――では、今年の正月は、いつものやうに朝から晩まで酒を飲んでは議論をしたり喧嘩をしたりしてゐても止め度がないから、 「今年はひとつ――」 と、私達の伊達好みの戯談好きの村長が提言しました。「大いに趣向を変へて――馬を引け! 近郷の村々を訪れて、飲み歩かう。皆々思ひをこらして、思ひ思ひの仮装にこの身を固めて、馬上の騎士とはならう

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善の研究

西田幾多郎

この書は余が多年、金沢なる第四高等学校において教鞭を執っていた間に書いたのである。初はこの書の中、特に実在に関する部分を精細に論述して、すぐにも世に出そうという考であったが、病と種々の事情とに妨げられてその志を果すことができなかった。かくして数年を過している中に、いくらか自分の思想も変り来り、従って余が志す所の容易に完成し難きを感ずるようになり、この書はこの

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The Phantom Tower

幽霊塔

黒岩涙香

「有名な幽霊塔が売り物に出たぜ、新聞広告にも見えて居る」 未だ多くの人が噂せぬ中に、直ちに買い取る気を起したのは、検事総長を辞して閑散に世を送って居る叔父丸部朝夫である。「アノ様な恐ろしい、アノ様な荒れ果てた屋敷を何故買うか」など人に怪しまれるが夏蝿いとて、誰にも話さず直ぐに余を呼び附けて一切買い受けの任を引き受けろと云われた。余は早速家屋会社へ掛け合い夫々

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僕は精神が好きだ

大杉栄

僕は精神が好きだ。しかしその精神が理論化されると大がいは厭になる。理論化という行程の間に、多くは社会的現実との調和、事大的妥協があるからだ。まやかしがあるからだ。 精神そのままの思想はまれだ。精神そのままの行為はなおさらまれだ。生れたままの精神そのものすらまれだ。 この意味から僕は文壇諸君のぼんやりした民本主義や人道主義が好きだ。少なくとも可愛い。しかし法律

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新秩序の創造 評論の評論

大杉栄

本月もまた特に評論して見たいと思うほどの評論が見つからない。ただ一つ『先駆』五月号所載「四月三日の夜」(友成与三吉)というのがちょっと気になった。 それは、四月三日の夜、神田の青年会館に文化学会主催の言論圧迫問責演説会というのがあって、そこへ僕らが例の弥次りに行った事を書いた記事だ。友成与三吉君というのは、どんな人か知らないが、よほど眼や耳のいい人らしい。僕

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四つの道徳

大杉栄

小児が河の中に溺れている。そこを四人の人が通り掛かる。 その一人は思った。自己はただ自己のためにすれば善い。彼はそ知らぬ顔をして通り過ぎた。 もう一人は考えた。もしあの児を助けたら、神様はきっと何かの褒美を下さるに違いない。彼はただちに水の中に飛び込んだ。 もう一人も考えた。人の満足には、内的満足と外的満足との二種類がある。しかして、人を助けるのはその前者に

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何が新しいんだい

大杉栄

四月号の『新公論』に、「男性に対する要求」と題した、岩野清子女史の文章がある。実にあきれ返った名論だ。 「日本の男性は女性に対してあまり粗暴である。謹みをかいている。女性の前で猥※な話を好んでする傾きがある。……英国あたりの紳士と言われる人々は、婦人の居る席では胸より下のことは決して口にしないそうである……女性をして憤慨させあるいは醜恥心をおこさせる言語動作

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お別れ

大杉栄

読者諸君の中で、『平民新聞』をお読みなさらなかった方は、たぶん御存じもありますまいが、私、つまらん筆の禍のために、当分諸君とお別れをして、そして監獄に行かねばならぬのであります。 それは、かつて『平民新聞』に記載したクロポトキン翁の「青年に訴う」というのが政府の忌諱にふれたので、先月の末に東京地方裁判所で、秩序壊乱の廉とかによって軽禁錮一カ月半の宣告を下され

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石川、山口両君の入獄

大杉栄

本誌の旧い寄書家の石川旭山君と新しい寄書家の山口孤剣君とは、ともに主義の犠牲となり、『平民新聞』紙上「父母を蹴れ」てう論文が、秩序壊乱の罪に問われ、石川君は発行兼編集人として六カ月、山口君は筆者として三カ月の軽禁錮に処せられ、去月二十五日、東京監獄へ入られました。 なお両君は監獄において大なる未来を持って居られます。両君はなお数組の事件を背負うて居られるので

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新しい女

大杉栄

僕はいわゆる新しい女に対して、半ば同感すると同時に、また半ば反感する。 いわゆる新しい女とは、征服階級の男の玩弄品たり奢侈品たる地位から、一躍し征服階級の直接の一員たらんとする女である。 彼女等の自覚とは、要するにここまでの自覚に過ぎない。真に人としての自覚ではなく、征服階級の人としての自覚に過ぎない。彼女等の自覚は、自己と周囲との関係をわずかに征服階級の世

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新しき世界の為めの新しき芸術

大杉栄

新しき世界の為めの新しき芸術 大杉栄 一 去年の夏、本間久雄君が早稲田文学で「民衆芸術の意義及び価値」を発表して以来、此の民衆芸術と云う問題が、僕の眼に触れただけでも、今日まで十余名の人々によって彼地此地で論ぜられている。其の都度僕は、一つは民衆と云う事をいつも議論の生命とし対象としている僕自身の立場から、もう一つは誰れ一人として本当に此の民衆芸術と云う問題

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獄中消息

大杉栄

獄中消息 大杉栄 市ヶ谷から(一) * 宛名・日附不明 僕は三畳の室を独占している。日当りもいいし、風通しもいいし、新しくて綺麗だし、なかなか下六番町の僕の家などの追いつくものでない。……こんなところなら一生はいっていてもいいと思うくらいだ。しかし警視庁はいやなところだった。南京虫が多くてね。僕も左の耳を噛まれて、握拳大の瘤を出かした。三、四日の間はかゆくて

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男女関係について 女房に与えて彼女に対する一情婦の心情を語る文

大杉栄

一 野枝さん。 『女の世界』編集長安成二郎君から、保子に対する僕の心持を書いてくれないか、という注文があったので、ちょうど今このことについて君と僕との間に話の最中でもあり、それに君に話しかけるのが僕には一番自由でもあるので、君に宛ててこの手紙を書くことにする。世間の奴等には、堪らないおのろけとも聞えることを書くようになるかも知れないが、堪ろうと堪るまいと、そ

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続獄中記

大杉栄

続獄中記 大杉栄 畜生恋 僕はいつも独房にばかりいて、雑房の方のことはよく知らない。雑房というのは、詳しく言えば雑居房だ。六人も八人も十人も、あるいはもっと多くの囚人が六畳敷か八畳敷かの一室にとじ籠められている。定員四名、現在十二名、というような札が、監房の入口にかけられてあるのも珍らしくはない。 多くは同じ性質の犯罪、たとえば泥棒は泥棒と、詐偽は詐偽と一緒

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獄中記

大杉栄

獄中記 大杉栄 市ヶ谷の巻 前科割り 東京監獄の未決監に「前科割り」というあだ名の老看守がいる。 被告人どもは裁判所へ呼び出されるたびに、一と馬車(この頃は自動車になったが)に乗る十二、三人ずつ一組になって、薄暗い広い廊下のあちこちに一列にならべさせられる、そしてそこで、手錠をはめられたり腰縄をかけられたりして、護送看守部長の点呼を受ける。「前科割り」の老看

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日本脱出記

大杉栄

去年の十一月二十日だった。少し仕事に疲れたので、夕飯を食うとすぐ寝床にはいっていると、Mが下から手紙の束を持って来た。いつものように、地方の同志らしい未知の人からの、幾通かの手紙の中に、珍らしく横文字で書いた四角い封筒が一つまじっていた。見ると、かねてから新聞でその名や書いたものは知っている、フランスの同志コロメルからだ。何を言って来たのだろうと思って、ちょ

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生の拡充

大杉栄

生の拡充 大杉栄 「征服の事実」の中に、僕は「過去と現在とおよび近き将来との数万あるいは数千年間の人類社会の根本事実」たる征服のことを説いて、これが「明瞭に意識されない間は社会の出来事の何ものも正当に理解するを許されない」と断じた。 そしてさらにこの論を芸術界に及ぼして、「この征服の事実とおよびそれに対する反抗とに触れざる限り、諸君の作物は遊びである、戯れで

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征服の事実

大杉栄

樗牛全集の中に、ブランデスの何かの本から抜いた、次の文がある。 「少なくともヨーロッパの四大国民の名は、いずれもみな外国の名である。フランスの名称は、ライン河の西岸に棲んでいたフランク人から来たもので、この国民の祖先たる古のケルト人とは、何の因縁もないのである。イギリスの名は、もとドイツの一地方から来たもので、アングロサクソン民族とは、何の血族上の連絡もない

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自叙伝

大杉栄

自叙伝 自叙伝 大杉栄 自叙伝(一) 一 赤旗事件でやられて、東京監獄から千葉監獄へ連れて行かれた、二日目か三日目かの朝だった。はじめての運動に、一緒に行った仲間の人々が、中庭へ引き出された。半星形に立ちならんだ建物と建物との間の、かなり広いあき地に石炭殻を一面にしきつめた、草一本生えていない殺風景な庭だ。 受持の看守部長が名簿をひろげて、一列にならんでいる

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鎖工場

大杉栄

鎖工場 大杉栄 夜なかに、ふと目をあけてみると、俺は妙なところにいた。 目のとどく限り、無数の人間がうじゃうじゃいて、みんなてんでに何か仕事をしている。鎖を造っているのだ。 俺のすぐ傍にいる奴が、かなり長く延びた鎖を、自分のからだに一とまき巻きつけて、その端を隣りの奴に渡した。隣りの奴は、またこれを長く延ばして、自分のからだに一とまき巻きつけて、その端をさら

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奴隷根性論

大杉栄

奴隷根性論 大杉栄 一 斬り殺されるか、焼き殺されるか、あるいはまた食い殺されるか、いずれにしても必ずその身を失うべき筈の捕虜が、生命だけは助けられて苦役につかせられる。一言にして言えば、これが原始時代における奴隷の起源のもっとも重要なるものである。 かつては敵を捕えればすぐさまその肉を食らった赤色人種も、後にはしばらくこれを生かして置いて、部落中寄ってたか

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遺言

大杉栄

遺言 遺言 大杉栄 四五年前の二月頃だった。或日、突然、明治大学の学生から電話がかかつて来て、今大学の講堂で学芸部の演説会をやってゐるから、直ぐやつて来て何にか話してくれと云ふ。 其の演説会のある事はかねてHから聞いてゐた。法政経済専門の学者の意見は聞きあきてもゐるし、それにとかく国家とか政治とか法律とかの何等かの権威に囚はれた説ばかりで面白くもないから、こ

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The Fly

横光利一

蠅 横光利一 一 真夏の宿場は空虚であった。ただ眼の大きな一疋の蠅だけは、薄暗い厩の隅の蜘蛛の巣にひっかかると、後肢で網を跳ねつつ暫くぶらぶらと揺れていた。と、豆のようにぼたりと落ちた。そうして、馬糞の重みに斜めに突き立っている藁の端から、裸体にされた馬の背中まで這い上った。 二 馬は一条の枯草を奥歯にひっ掛けたまま、猫背の老いた馭者の姿を捜している。 馭者

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