Vol. 2May 2026

Sách

Thư viện tri thức thế giới miền công cộng

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断水の日

寺田寅彦

断水の日 寺田寅彦 十二月八日の晩にかなり強い地震があった。それは私が東京に住まうようになって以来覚えないくらい強いものであった。振動週期の短い主要動の始めの部分に次いでやって来る緩慢な波動が明らかにからだに感ぜられるのでも、この地震があまり小さなものではないと思われた。このくらいのならあとから来る余震が相当に頻繁に感じられるだろうと思っていると、はたしてか

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断片

陀田勘助

ノスケ万歳! プロレタリアは武装を解かれた ――ゲオルグ・グロッス―― むくれあがった傷口から白い蛆虫は這い出した 蠅は飛び出した小腸を喰べている 風が吹く 転がっている銃殺死体! ほんとうに射撃された心臓は歪んでいた 兵隊の靴の音は飢えた群衆の中から ピストル! 奴らの銃剣は! 切断された太陽の注ぐ光の下にひかり おれらの脳髄を 心臓を指さしている 掘立小

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断片

富永太郎

私には群集が絶対に必要であつた。徐々に来る私の肉体の破壊を賭けても、必要以上の群集を喚び起すことが必要であつた。さういふ日々の禁厭が私の上に立てる音は不吉であつた。 私は幾日も悲しい夢を見つゞけながら街を歩いた。濃い群集は常に私の頭の上で蠢めいてゐた。時々、飾窓の中にある駝鳥の羽根附のボンネツトや、洋服屋の店先にせり出してゐる、髪の毛や睫毛を植ゑられた蝋人形

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断片(Ⅰ)

寺田寅彦

断片(1) 寺田寅彦 一 神保町から小川町の方へ行く途中で荷馬車のまわりに人だかりがしていた。馬が倒れたのを今引起こしたところであるらしい。馬の横腹から頬の辺まで、雨上がりの泥濘がべっとりついて塗り立ての泥壁を見るようである。あらわな肋骨の辺には皮が擦り剥けて赤い血が泥ににじんでいるところがある。馬の腹は波を打つように大きくせわしなく動いている。堪え難い苦痛

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断片(Ⅱ)

寺田寅彦

断片(2) 寺田寅彦 一 連句で附句をする妙趣は自己を捨てて自己を活かし他を活かす事にあると思う。前句の世界へすっかり身を沈めてその底から何物かを握んで浮上がって来るとそこに自分自身の世界が開けている。 前句の表面に現われただけのものから得た聯想に執着してはいい附句は出来ない。 前句がそれ自身には平凡でも附句がいいと前句がぐっと活きて引立って来る。どんな平凡

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断腸亭日乗 01 〔はしがき〕

永井荷風

此断腸亭日記は初大正六年九月十六日より翌七年の春ころまで折鉛筆もて手帳にかき捨て置きしものなりしがやがて二三月のころより改めて日日欠くことなく筆とらむと思定めし時前年の記を第一巻となしこの罫帋本に写直せしなり以後年と共に巻の数もかさなりて今茲昭和八年の春には十七巻となりぬ かぞへ見る日記の巻や古火桶五十有五歳 荷風老人書 ●図書カード

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断腸亭日乗 03 断膓亭日記巻之二大正七戊午年

永井荷風

暁方雨ふりしと覚しく、起出でゝ戸を開くに、庭の樹木には氷柱の下りしさま、水晶の珠をつらねたるが如し。午に至つて空晴る。蝋梅の花を裁り、雑司谷に徃き、先考の墓前に供ふ。音羽の街路泥濘最甚し。夜九穂子来訪。断膓亭屠蘇の用意なければ倶に牛門の旗亭に徃きて春酒を酌む。されど先考の忌日なればさすがに賤妓と戯るゝ心も出でず、早く家に帰る。

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断腸亭日乗 04 断腸亭日記巻之三大正八年歳次己未

永井荷風

曇りて寒き日なり。九時頃目覚めて床の内にて一碗のシヨコラを啜り、一片のクロワサン(三日月形のパン)を食し、昨夜読残の疑雨集をよむ。余帰朝後十余年、毎朝焼麺麭と琲とを朝飯の代りにせしが、去歳家を売り旅亭に在りし時、珈琲なきを以て、銀座の三浦屋より仏蘭西製のシヨコラムニヱーを取りよせ、蓐中にてこれを啜りしに、其味何となく仏蘭西に在りし時のことを思出さしめたり。仏

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断調

萩原朔太郎

春なれば小椿おちて山吹の黄をもつ流その流背戸を走れるいまやせたり、 木がらしの行方もしらにさはさはと音する枯草のひびき寂寞の影をやどせば敗れ岩ところどころに冬を行くいささ小川の悲しげなりや。 曾てこの河に漁どりすべくいとむつまじき二人のうなゐありき、 されどその事たえたる今にして蓼の香さむきあしたには寒水のほとりうら悲しき笛の音をきくものありと云ふは何ぞや。

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断酒片

牧野信一

止める止めるとこぼしながらうまくゆかないのが多くの飲酒者の通例であるが、止めようと思つたら飲まなければ好いのにと僕は思ひそんなことは口にもせず飲みつゞけてゐたところ急に具合が悪くなつたので止めて見たところ、一向僕には未練もない、性根は余り酒好きでもなかつたのか知ら、他人の酔つてゐるのを見ても白々としたもので、自分も酔つてゐた時はあんな風だつたのか! と思つて

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断食芸人

カフカフランツ

この何十年かのあいだに、断食芸人たちに対する関心はひどく下落してしまった。以前には一本立てでこの種の大きな興行を催すことがいいもうけになったのだが、今ではそんなことは不可能だ。あのころは時代がちがっていたのだ。あのころには町全体が断食芸人に夢中になった。断食日から断食日へと見物人の数は増えていった。だれもが少なくとも日に一度は断食芸人を見ようとした。興行の終

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斯ういう気持

宮本百合子

斯ういう気持 宮本百合子 「――春になると埃っぽいな――今日風呂が立つかい」 「そうね、どうしようかと思ってるのよ、少し風が強いから」 「じゃあ一寸行って来よう」 「立ててもよくてよ」 「行って来る方が雑作ない」 愛が風呂場で石鹸箱をタウルに包んで居る間に、禎一は二階へ蟇口をとりに登った。彼は軈て、ドタドタ勢よく階子をかけ降りざま、玄関に出た。 「小銭がなあ

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新らしいスローガンについて

今野大力

太平洋の島国へ一つの智恵が送られてきた智恵をあふるるばかりにくまなく抱く本が送られてきた智恵はまもなく人々のものとなりかけたしかしこの国の人々はその智恵をいろいろに受けとった 誰がこんなことをしたのかある頁が破かれていたある頁に加筆されていたある頁は抹殺された、ある頁は巧妙に張りかえられた 真実は 偉大なる真実は遂に万人のものとなり得なかった多くの人々のもと

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新しい一夫一婦

宮本百合子

新しい一夫一婦 宮本百合子 私たちが、恋愛とか結婚とかの問題について話す場合、特別その上に新しいという形容詞をつけて持ち出す場合、それは多かれ少かれ、従来理解され、また経験されて来た恋愛や結婚より何かの意味で豊富な、新鮮な、我々の生きる歓喜となり得るものを求めようとする心持が働いていると思う。 昨今のように、一般の社会状勢が息苦しく切迫し、階級対立が最も陰性

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新世帯

徳田秋声

新吉がお作を迎えたのは、新吉が二十五、お作が二十の時、今からちょうど四年前の冬であった。 十四の時豪商の立志伝や何かで、少年の過敏な頭脳を刺戟され、東京へ飛び出してから十一年間、新川の酒問屋で、傍目もふらず滅茶苦茶に働いた。表町で小さい家を借りて、酒に醤油、薪に炭、塩などの新店を出した時も、飯喰う隙が惜しいくらい、クルクルと働き詰めでいた。始終襷がけの足袋跣

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新たな世界主義

豊島与志雄

新たな世界主義 豊島与志雄 戦争は終ったが、平和は到来しなかった。人類が待ち望んでいたような平和は到来しなかった。それは遠い過去に置きざりにされている。歴史の歩みは早い。将来に平和があるとすれば、それは過去のものとは異った形態のものであろう。その平和を、吾々は、そして人類は、獲得しなければならないのだ。武器は一応収められたが、破棄されたのではない。ホット・ウ

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新人へ

坂口安吾

新人へ 坂口安吾 如何に生くべきか、ということは文学者の問題じゃなくて、人間全体の問題なのである。人間の生き方が当然そうでなければならないから、文学者も亦そうであるだけの話である。 如何に生くべきか、が人間のあたりまえの問題でなくて、特に文学だけの問題のように考えられているところに、日本文学の思想の贋物性、出来損いの専門性、一人ガテンの独尊、文学神聖主義があ

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新しくもならぬ人生

正宗白鳥

暦の上で何度新しき年を迎へても、心が新たになるのではない。私は、二十代の昔も七十代の今日も、根底においては、自分の考へ方は同じやうに思はれる。經驗を積み知識も豐かになつたにしても、すべて皮相な經驗、皮相な知識の積み重ねであつたのに過ぎないやうに思はれる。そして、大抵の人間が究極の所、さうではないかと私に思はれてゐる。 私は何も知らない嬰兒として、偶然この世に

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新人紹介

堀辰雄

一、履歴、僕は千九百四年十二月東京に生れた。 芥川龍之介は僕の最もよき先生だつた。彼の死くらゐ僕を感動させたものはない。 彼の死後、まもなく、僕はひどい肺炎にかかり、長いあひだ生と死との間にあつた。 僕の肉體はやがて恢復した。しかし僕の氣持はまだ生と死との間をためらつてゐる。その時分僕は僕の友人等に自殺するだらうと噂されたものだ。 さういふ死の境地から僕を救

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新人の諸作一括

平林初之輔

大下宇陀兒氏の「蛞蝓奇談」(『新青年』増刊)これはショート・ストーリーである。という意味は短いながらも一つの完結した物語であるという意味だ。なめくじという妙な動物の不思議な習性についての最初の説明はそれ自身で面白いのみならず、それがこの作品の伏線として役だっているのだから、無駄のない書き方だといわねばならぬ。なめくじとつばきのかたまりとを間違えるというような

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新作いろは加留多

坂口安吾

新作いろは加留多 坂口安吾 いろは加留多には「ン」がない。多分ンで始まる言葉がないからだらう。ところが、四五年前、ンで始まる金言を発見したから、ついでに「いろは加留多」を作らうかと思つた。そのうちに忘れてしまつたけれども、又、正月が近づいたから、思ひだした。ンの金言を発見した次第は、次のやうなものである。 北原武夫が都新聞の文芸記者をやつてゐたときの話である

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