グロスターのふくやさん
ポタービアトリクス
こりゃ 1まい かがみでも 買って ふくやを 2,3にん よんでみようか。 ――リチャード3せい フリーダちゃん おとぎ話が 大すきだけど、 ねこんでいる あなたのために、 このお話を まるまる 作りました ―― まだ だれも 読んでいない 新しい お話です。 このお話の いちばん ふしぎなところは ―― わたしが グロスターで 耳にした ほんとの話だと い
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ポタービアトリクス
こりゃ 1まい かがみでも 買って ふくやを 2,3にん よんでみようか。 ――リチャード3せい フリーダちゃん おとぎ話が 大すきだけど、 ねこんでいる あなたのために、 このお話を まるまる 作りました ―― まだ だれも 読んでいない 新しい お話です。 このお話の いちばん ふしぎなところは ―― わたしが グロスターで 耳にした ほんとの話だと い
岸田国士
ジイクフリードについて 岸田國士 ジロオドウウの戯曲は、その取材と云ひ、構想と云ひ、殊にその文体の一種独特な調子と云ひ、まさに現代フランス劇壇に齎らされた文字通りの新風である。 それはなによりも現代を呼吸する生活人の思想であり、感覚である。十九世紀的な分析の残骸を捨て去つて、直截簡明に原則を捉へる機敏な頭脳を先づ感じさせる。彼のレアリズムこそは「大戦後」のそ
ポタービアトリクス
ネコちゃんぬくぬく――まったくだこと さんぽの子犬――「あらネコちゃんさん お元気、おくさん? おくさん、お元気?」 「どうも子犬さん、おたがいさまよ!」 古い歌より むかしむかし あるところに リービという ネコちゃんが おりました。 ある日、 ダッチェスという 子犬を お茶に おまねきすることに。 リービの お手紙は こうです。「ごつごうの よいときに
黒島伝治
パルチザン・ウォルコフ 黒島伝治 一 牛乳色の靄が山の麓へ流れ集りだした。 小屋から出た鵝が、があがあ鳴きながら、河ふちへ這って行く。牛の群は吼えずに、荒々しく丘の道を下った。汚れたプラトオクに頭をくるんだ女が鞭を振り上げてあとからそれを追って行く。ユフカ村は、今、ようよう晨の眠りからさめたばかりだった。 森の樹枝を騒がして、せわしい馬蹄の音がひびいてきた。
太宰治
フォスフォレッスセンス 太宰治 「まあ、綺麗。お前、そのまま王子様のところへでもお嫁に行けるよ。」 「あら、お母さん、それは夢よ。」 この二人の会話に於いて、一体どちらが夢想家で、どちらが現実家なのであろうか。 母は、言葉の上ではまるで夢想家のようなあんばいだし、娘はその夢想を破るような所謂現実家みたいなことを言っている。 しかし、母は実際のところは、その夢
北原白秋
少年老い易し、麗人は刻を千金の春夜に惜む。われらがわかき日の小詩はまさに涙を流して歌ふべし。瑠璃いろ空のかはたれにわすれなぐさの花咲かばまた、過ぎし夜のはかなき恋も忍ぶべし。ここに選び出でたるはわが幼きより今にいたるあらゆる詩集の中より、ことに歌ひ易く調やさしき断章小曲のかずかず、すべてみな見果てぬ夢の現なかりしささやきばかり、とりあつむればあはれなることか
宮本百合子
『くにのあゆみ』について 宮本百合子 去年の八月からきょうまで、十四ヵ月ほどの間、日本じゅう幾百万の国民学校の上級児童は、日本の歴史教科書というものを失っていた。 小学校令が行われ、国定教科書で教えるという方法がきまったのは明治何年であったか知らない。けれども、日本の子どもが歴史の教科書をもたなかったことはかつて無かったことなのであった。 その異常な経験にお
坂口安吾
あとがき〔『いづこへ』〕 坂口安吾 私の終戦後の作品のうち「外套と青空」「白痴」以後の今日までの短篇の大部分をまとめたものです。 目次を三つに区切つたのは、最初のが私の自伝的意味をもつ作品、その次が私小説ならざる現代小説、最後が歴史小説です。 私は雑誌の選り好みといふものを余りやらず、私の執筆能力の限度に応じて、頼まれる雑誌へ引受けた順番に書いて行き、能力の
ポタービアトリクス
むかしむかし あるところに 4ひきの こうさぎが おりました。 なまえは それぞれ フロプシー、モプシー、カトンテル、ピーターです。 4ひきは おかあさんと いっしょに とってもおおきな モミのきの したにある あなのなかに すんでいました。 あるひの あさ、 あなうさママが いいました。 「さあ おまえたち、 のはらのなかや こみちのさきで あそんでらっし
小川未明
うみぼうずは しょうたいの わからない おばけです。 まっくろな からだを して、海の そこに すみ、きかんぼうずで わがままかってに ふるまって います。 だから、みんなから きらわれて います。なにか 気に いらない ことが あると、あばれまわります。海の 水を まきあげ、くろくもを おこし、つなみを たて、あたりを さわがせます。 さかなや、海に すむ
小川未明
やけあとの、たがやされた ところには、みどりいろの むぎが ふさふさと しげって いました。また、やわらかそうに みえる わかなに、きいろの 花が さいて いました。 しかし、まだ あとかたづけの してない ところには、大きな 石などが ころがって いました。こんなに あれて いる あきちだけが、ぼくたち 子どもの あそびば でした。 ちょうど、大きな 石の
ポタービアトリクス
このささやかな ほんは ネリーのもの。 むかしむかし あるところに 1びきの もりねずみが おりまして、 なまえを おねずみトマシーナおばさんと いいました。 すまいは いけがきの うらにある もりつちの なか。 これが おもしろい おうちなんです! いけがきの ねっこを めぐって あっち こっちへ つちの めいろが できあがっていて、 そのさきに ものおき
小川未明
おばあさんは、まだ、若い時分に、なにかの雑誌についている口絵で見た、軽気球の空に上がっている姿を、いつまでも忘れることができませんでした。 青い色が、ところどころに出て、雲の乱れた空を高く、その軽気球は、風船球を飛ばしたように、上がっていました。それには、人が乗っていて、下方にたむろしている敵軍のようすを偵察していたのであります。すると、これを射落そうと、敵
新美南吉
がちょうの たんじょうび 新美南吉 ある おひゃくしょうやの うらにわに あひるや、がちょうや、もるもっとや、うさぎや、いたちなどが すんで おりました。 さて、ある ひの こと がちょうの たんじょうびと いうので、みんなは がちょうの ところへ ごちそうに まねかれて いきました。 これで、いたちさえ よんで くれば、みんな おきゃくが そろう わけです
ポタービアトリクス
ノラに おくる ものがたり これは おはなしです――つまりは きたりすの しっぽの はなしで、 そのこの なまえは ナトキンと いいました。 チンクルベリという おにいさんと おおぜいの いとこがいて、 みんなして みずうみの ほとりにある 1ぽんの きに すんでいました。 そのみずうみの まんなかには しまが あって、 もりと どんぐりの やぶに おおわれ
宮本百合子
しようがない、だろうか? 宮本百合子 「電燈料がまたあがるかね」 ほんとにしようがないわねえ。 「新聞でね、東畑博士がいっていますよ、日本の主食は三百万トン外国から買えば、芋ぬきで二合七勺配給になるのに、政府は三百七十五万トン輸入しようとしている。これは制限しなければならないって。日本の米のねだんは一石四千二百五十円でしょう? 輸入米は同じ一石が九千六百七十
オルファースジビュレ・フォン
「ほら おおきなさい こどもたち。 もう あっというまに はるですよ!」 ――すると こどもたちは のびをして ねぐせだらけの かみを なでます。 さっそく みんなは したくして じぶんで はるのふくの ぬいもの。 ぬいばり はさみ ゆびぬきで てしごと ちゃんと できました。 さあて ぞろぞろ ねっこのこ ぬったものを われさきに つちつちママに もってっ
ポタービアトリクス
まちねずジョニーが うまれたのは とだなのなかでした。 かごいりチミーの うまれたところは にわでした。 かごいりチミーは いなかの こねずみでしたが、 あるとき てちがいで あみかごに いれられ まちまで いってしまって。 にわの もちぬしが しゅうに 1ど やさいを まちへ はこんでもらっていまして、 それで いつも おおきな あみかごに つめるのです。
新美南吉
アル オヒャクショウヤノ ウラニワニ アヒルヤ、ガチョウヤ、モルモットヤ、ウサギヤ、イタチナドガ スンデ オリマシタ。 サテ、アル ヒノ コト ガチョウノ タンジョウビト イウノデ、ミンナハ ガチョウノ トコロヘ ゴチソウニ マネカレテ イキマシタ。 コレデ、イタチサエ ヨンデ クレバ、ミンナ オキャクガ ソロウ ワケデスガ、サテ、イタチハ ドウ シマショウ
新美南吉
アル オヒヤクシヨウヤノ ウラニハニ アヒルヤ、ガチヨウヤ、モルモツトヤ、ウサギヤ、イタチナドガ スンデ ヲリマシタ。 サテ、アル ヒノ コト ガチヨウノ タンジヨウビト イフノデ、ミンナハ ガチヨウノ トコロヘ ゴチソウニ マネカレテ イキマシタ。 コレデ、イタチサヘ ヨンデ クレバ、ミンナ オキヤクガ ソロフ ワケデスガ、サテ、イタチハ ドウ シマセウ。
ニューヨーク・サン紙
本紙は、以下に掲載される投書に対してただちにお答え申し上げるとともに、このようにまっすぐな方が読者におられることを、心から嬉しく思います。 「こんにちは、しんぶんのおじさん。 わたしは八さいのおんなのこです。じつは、ともだちがサンタクロースはいないというのです。パパは、わからないことがあったら、サンしんぶん、というので、ほんとうのことをおしえてください。サン
牧野信一
……………… 火をいれた誘蛾灯が机の上に置いてあります。その光りで見ると、捕虫綱もあります。毒壺も、採集箱もそろつてゐます。 どうもこれは見覚えのある道具だと思つて、とりあげてみると捕虫網の柄にも、採集箱の隅にも、ちやんと、S・Mと、僕の名前が記してあります。何年か前に博物学者にならうといふ理想をもつてゐた頃僕が使つたまゝ、一切の昆虫採集用具が部屋中に散乱し
牧野信一
「弾け! 弾け! その手風琴で沢山だ。」 「南北戦争の兵隊でもが持つやうな手風琴だな、ハツハツハ! 横ツ腹が大分破れてゐるぢやないか!」 「お前の胸には打つてつけだらうG――」 「失敬な、弾かねえぞ!」 「弾け! 弾け! リング、リング・ド・バンジョウ! あんなものを弾くにはそれで沢山だよ、K! お前は一緒にハモニカを吹け!」 「オーライ!」 「ぢや、俺もオ
竹内浩三
アアちゃん 白い雪のふる 木の葉のちる 寒い風のふく アアちゃん ぼくは たたずみ うづくまり 寒い風のふく 湯気のちぎれとぶ アアちゃん ぼくは 地べたに 爪あとをつけ ケシの種子を ほりかえす アアちゃん ●図書カード