Vol. 2May 2026

图书

公共领域世界知识图书馆

14,981종 중 13,176종 표시

レイモンドの『農民』

田山花袋

第一に私の気に入つたのは、この作が何等の傾向も、思想も、宣伝も持つてゐないことだつた。農民小説といふ臭気すらなかつたと言つて好かつた。作者はたま/\さういふ農村の生活に浸つてゐたために、それを題材にして大きな人生を展開しただけだ。大きな人生の波の中に浮いたり沈んだりする人間を書いただけだ。そこが私の気に入つた。作者はかうでなくてはならないのだ。従つてこの作は

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農民文学の問題

黒島伝治

農民文学の問題 黒島傳治 農民文学に対する、プロレタリア文学運動の陣営内における関心は、最近、次第にたかまってきている。日本プロレタリア作家同盟では、農民文学に対する特殊な研究会が持たれた。ハリコフでの国際革命作家拡大プレナムの決議は日本のプロレタリア文学運動が、シッカリと大衆の中に根を張り、国際的な連関において前進して行くために、もっとも重要な、さしあたっ

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農民芸術概論

宮沢賢治

農民芸術概論 宮沢賢治 序論 ……われらはいっしょにこれから何を論ずるか…… 農民芸術の興隆 ……何故われらの芸術がいま起らねばならないか…… 農民芸術の本質 ……何がわれらの芸術の心臓をなすものであるか…… 農民芸術の分野 ……どんな工合にそれが分類され得るか…… 農民芸術の諸主義 ……それらのなかにどんな主張が可能であるか…… 農民芸術の製作 ……いかに

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農民芸術概論綱要

宮沢賢治

農民芸術概論綱要 宮沢賢治 序論 ……われらはいっしょにこれから何を論ずるか…… おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった 近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい 世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得な

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農民芸術の興隆

宮沢賢治

農民芸術の興隆 宮澤賢治 ……何故われらの芸術がいま起らねばならないか…… 曾ってわれらの師父たちは乏しいながら可成楽しく生きてゐた そこには芸術も宗教もあった Bchner 明治維新以前 家屋 衣服 食物 労働 宗教 音楽 舞踊 芝居 遊楽 創造 経済の変動に伴ふ所有衝動の発達 科学による急激な技術の進歩による機械的の設計 田植踊 節句 祈願 植物医師の例

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辻の立ち咄

折口信夫

夏めいて来ると、祭りに狂奔した故郷の昔が、思ひ出される。其と一続きに、きつと浮んで来るのは、浄瑠璃から出た「夏祭浪花鑑」といふ芝居である。あんな戯曲の上にも、大阪と東京との違うた、昔の姿が見えて居る。人物の性根が、語り物と舞台とでは、よつぽど違ふ。役者の上方出と、関東生れとで、理会が変つて居る。一寸徳兵衛は、乞食をした男である。其が一般に、すつきりしたたて衆

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辻野久憲君

堀辰雄

辻野君のこと、大へん悲しい。仕事の上でも惜しいことをしたと思ひます。辻野君のした仕事の大半は、飜譯だつたけれど、所謂飜譯家にありがちのよそよそしいところがちつとも無くて、いつも熱をもつて、全身的に、普通の人ならてんで齒も立たないやうなものにぶつかつて行つてゐました。だからその選擇した作品を見てゆくと、辻野君といふ人がよく解るやうです。 ヴァレリイ、ジィド、モ

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迅雷

田山花袋

× およそ雷で一番恐ろしいのは、山の上で逢つたことだ。私は日光の山奥でさういふ経験を甞めたことがあつた。雨は車軸を覆すばかりに降る。風は凄じく下から巻きあげる。それに、電光が交叉して、そこでも此処でも雷が轟く。何とも言はれない恐ろしさだつた。 日本アルプスの登山者なども、何うかすると、さういふ目に逢ふといふことであつた。さういふ時に注意しなければならないこと

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迎合せざる人 尾崎士郎の文学

坂口安吾

日支事変以後、言論の圧迫が加わって、多くの作家が処世的に迎合し便乗的作品を書きはじめた時に、尾崎士郎はむしろ迎合しない側の作家であった。 その彼が、太平洋戦争以後に、軍国主義文学の親玉の観を呈したに就ては、次のような理由があった。 一九四一年十月ごろ青年作家何十名かに徴用令のあったとき、その中に加わった数名の知人を私は慰め見送ったが、その中で誰よりも打ちひし

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シベリヤに近く

里村欣三

「うむ、それから」 と興に乗じた隊長は斜な陽を、刃疵のある片頬に浴びながら、あぶみを踏んで一膝のり出した。すると鞍を揉まれたので、勘違いして跳ね出そうとした乗馬に「ど、どとッ、畜生」と、手綱をしめておいて、隊長は含み笑いに淫猥な歯をむいて 「それから」 と、飽くまで追及して来た。 軍属の高村は、ひとあし踏み出して乱れた隊長の乗馬に、自分の馬首を追い縋って並べ

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近代劇論

岸田国士

近代劇論 岸田國士 一 近代劇とは この名称は元来、あまりはつきりしない名称で、恐らく「近代」といふ言葉は、moderne の訳に相違なく、してみると、普通使はれてゐる「新時代」といふ意味もあると同時に、歴史上の「近世」を指すことにもなるのである。歴史の方では、中世の後を受けた文芸復興期以後を、詳しく言へば、宗教改革以後を指すのだと記憶してゐるが、仏蘭西歴史

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近代支那の文化生活

内藤湖南

近代支那の文化生活 内藤湖南 一 問題は如何にもハイカラに聞こえる問題でありまして、近頃の考へに向きさうでありますけれども、材料は私が考へて居る材料でありますから、至つて古臭いので、一向内容にハイカラな所はありませぬ。 抑も支那の近代といふことが一體どういふことか、歴史の學問をやりますのに能く時代を上古とか、中世とか、近代とか申して分けますけれども、支那はあ

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近代美の研究

中井正一

教権による重い刑罰によって脅かされたにもかかわらず、地球の自転がついに人類の真実として獲られたことは、思想的歴史の上に深い意味をもっている。このことがまたやがて客観と主観、したがって主体の問題に世界観的変革をもたらす契機ともなったといえるであろう。そのために七年間を獄舎に過し、ついに言をひるがえさずして火刑に処せられしジォルダーノ・ブルーノの natura

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近作鉢の会に一言

北大路魯山人

近作鉢の会に一言 北大路魯山人 料理は食器なしでは存在しないようです。 料理に対する食器の存在は人間に於ける着物の存在でしょう。着物なしでは人間が生活出来ないように、料理も食器なしでは独立することは出来ません。そう言えば食器は料理の着物だと言えましょう。 しからば料理に関心を持つ者は、料理の着物である食器に関心を持つ者は、料理の着物である食器に関心を持たぬ訳

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近時政論考

陸羯南

近時政論考 陸羯南 序 モンテスキューいわく、「予の校を去るや数巻の法書を手にせり、しかしてただその精神を尋繹せり」と。ボルドー議会の会長たるとき、いわく、「予は議場において身に適するの地位なきを知る、議題は予これを詳悉するを難んぜず、しかも議事規則に至りては毫も会得するところあらず、予は会長としてこれに注意せざるにあらざれども、いわゆる伎倆なるもののきわめ

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近時詩壇寸感

中原中也

詩論か何かさういつた風のものを書けと云はれるたびに、書くことはいくらでもあるやうな気持と、書くことは何にもないやうな気持に襲はれます。さて暫く案じた揚句、大抵はお断りすることとなるのでありますが、今もよつぽどお断りしようかと思つた所でありました。 人によつて色々異ることと思ひますが、私は詩に就いては自分に分るやうにだけは考へますが、それを人に分らせようとする

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近況

堀辰雄

神西君が僕のことを山のぼりなどしたやうに書いたものだから、みんながもつと身體に氣をつけて、あんまり無茶をしないやうにといつてよこす。この五月の末ごろの或る温かい日、家のものたちと裏の山への芽をとりにいつて、つい氣もちがいいまま、二三時間山で過ごした。――そんなちよつとした山あそびが、いつか僕の山のぼりとなつて友人たちの間に傳はつたわけだ。それが僕のからだに祟

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近況

岸田国士

文学座三月公演のゴーリキーの「どん底」を演出することになり、信濃町のアトリエ近くに宿をとって、みっちりけいこをするつもりである。だれでも知っている「どん底」が、日本の俳優でどれほどロシア的な明るい劇になるかをためしてみるのが楽しみである。 テキストは神西清君の新訳によるが、これが今、出来ただけ私の手許に届けられ、二十一日の本読みまでに間に合う手はずがついてい

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近況報告

坂口安吾

近況報告 坂口安吾 去年ゴルフをはじめてから丈夫になった。洋服からの感じだといくらか痩せたかと思われるが、目方はむかしの十八貫から二十貫五百になった。十八貫のころゆっくり登っても息ぎれがして頂上へ登りつめると目まいがした山へウバ車を押して一息に登ることも犬と一しょに走って登ることも平気になった。だから、よく眠る。よく食う。よく飲んでせんだっても血を吐いたが、

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近畿地方に於ける神社

内藤湖南

私のお話致しますのは、「近畿地方に於ける神社」と申します。近畿地方は殊に神社の大變多い處でありまして、最も古社の多い處であります。それらに就て悉く話すことは到底出來ることではありませぬ。又私は一體神社のことを深く研究した譯でも何でもありませぬが、幾らか趣味を持つたのは大分古いことで、大日本史神祇志が出版になりました頃之を讀みまして、其の中に神社に關する色々の

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近藤勇と科学

直木三十五

近藤勇と科学 直木三十五 上篇ノ一 すぐ前に居た一人が突のめされたように、たたっと、よろめいて、双手で頭を抱えると、倒れてしまった。 「伏せっ、伏せっ、伏せっ」 土方は、つづけざまに、こう怒鳴って、大地へ伏してしまった。 「畜生、やられた」 土方の頭の上で、人間の声というよりも、死神の叫びのような絶叫をしたので、振向くと、口から血の泡を流しながら渋沢が、槍を

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近衛内閣の常識性

戸坂潤

近衛内閣の成立は、今の処割合評判が悪くないというのが事実だろう。なぜ評判が悪くないかと考えて見ると、恐らく第一に、近衛文麿公という人物が現下の時局に占めているユニックな位置によるものらしい。軍部と政党とに相当の信頼があるということ、所謂国内相剋の緩和者としてかけがえのない人物であること、等々であるらしい。将来の重臣候補を以て目されるに足るだけの貫禄があるとも

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ディカーニカ近郷夜話 前篇 02 はしがき

ゴーゴリニコライ

『まつたくこれは奇態な本だ、ディカーニカ近郷夜話か? いつたい夜話とはなんだらう? 何処かの蜜蜂飼かなんかがこんなものを世間へ発行しをつて! お蔭さまなことだよ! 羽根ペンを拵らへるのにどれだけ鵞鳥を裸かにし、紙を漉くのにどれだけ襤褸くづをつかつたら堪能ができるのだらう! 貴賤の別なく猫や杓子までが見やう見真似で、やたら無性に墨汁へ指を突つこんでも突つこんで

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ディカーニカ近郷夜話 前篇 03 ソロチンツイの定期市

ゴーゴリニコライ

小露西亜の夏の日の夢心地と、その絢爛さ! 鳩羽いろをした果しない蒼空が、エロチックな穹窿となつて大地の上に身をかがめ、眼に見えぬ腕に佳人を抱きしめながら、うつつをぬかしてまどろむかとも思はれる、静けさと酷熱の中に燃える日盛りの、この堪へがたい暑さ! 空には散り雲ひとつなく、野づらには人声ひとつ聞えず、万象はさながら寂滅したかの如く、ただ頭上たかく天際にをのの

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