槙本楠郎
槙本楠郎 · Japanese
No translation yet. Request one to move it up the queue.
槙本楠郎 · Japanese
First paragraph preview
Original (Japanese)
有一君は四年生で、真奈ちやんは二年生です。二人は競争で、毎朝涼しいうちに、夏休みの「おさらひ帳」を勉強します。今日もやつとすませたばかりのところへ、お隣の二年生の宗ちやんが、きれいなお菓子箱をかゝへて、内庭に入つて来ていひました。 「ねえ、いゝものあげようか?」 すると二人はお縁に飛んで出て、いつしよに手を出してさけびました。 「おくれ、僕に!」 「あたしに頂戴!」 ところが、宗ちやんがその箱のふたを開けた時、二人はびつくりして手をひつこめました。箱の中には、まつ黒い亀の子のやうな、大きな甲虫が五匹も入つて、モゴモゴ動いてゐたからです。 「びつくりした! お饅頭かと思つたら、甲虫だね?」 有一君はすぐさういつて、箱の中をのぞきましたが、真奈ちやんは、すつかりおこつてしまひました。 「宗ちやんのバカ! あたし、まだ胸がドクドクしてるわ。ちつともいゝものぢやないぢやないの。そんな虫なんて、猫だつて食べやしないでせう。へんな虫! いやアな虫! こんど見せたら、あたし、たゝき落して、下駄でふみつぶしてやるから。」 すると、兄さんの有一君が笑つていひました。 「真奈、さうおこるなよ。これは珍しい
槙本楠郎
Translation status
WaitingLog in to request a translation.
Other books by this author
Frequently asked questions
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
Free to read
Start reading immediately — no signup required. Create a free account for more books and features.