小穴隆一 · 일본어
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원문 (일본어)
四十年も前の事である。母に死なれた子供達はその父に連れられて凾館から祖父が住む信州に、倅に後添が出来た、孫共は祖父に連れられて再び凾館の倅へといつた次第で、そのをりの私の祖父の手帖に綴ぢた道中記には、確松島見物の歌などもあつた筈ではあるが、東北の人に東北は始めてですかと聞かれれば、始めてですと答へるよりほかにないその東北に、其の一つ一つが珍しい旅をすることができた。尤も私が歩いたのは単に花巻、盛岡、滝沢の範囲だけである。 ――▲―― 私は最近坪田譲治から宮澤賢治といふ名を始めて聞いた。書店は私に宮澤賢治全集、宮澤賢治名作選、注文の多い料理店等の本を呉れた。また賢治の絵といふものが、東京から盛岡にかけて幾点かある事も聞かされた。 しかしながら自分のやうな者は、本来安井曾太郎と中川一政の二人を偉いと思つてゐればよいので、正直なところ宮澤賢治の故郷花巻のはづれや、盛岡から二つさきの滝沢の放牧場で、向ふの山の麓、あれが啄木の出たところですと人々に指さし教へられても、これはなかなか戦国時代だなあと腹の中に呟きこんでゐたのである。 私はただ、「風の又三郎」の作者を生んだ土地を見、かたがたその又三郎
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