佐左木俊郎
佐左木俊郎 · japonés
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佐左木俊郎 · japonés
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Original (japonés)
機関車 佐左木俊郎 一 その線は、山脈に突き当たって、そこで終わっていた。そしてそのまま山脈の貫通を急がなかった。 山脈の裾は温泉宿の小さい町が白い煙を籠めていた。停車場は町端れの野原にあった。機関庫はそこから幾らか山裾の方へ寄っていた。温泉の町に始発駅を置き、終点駅にすることは、鉄道の営業上から、最もいい政策であったから。 終列車を牽いて来た機関車はそこで泊まった。そして翌朝の最初の列車を牽いて帰って行った。 終列車の機関車には、大抵、若い機関手が乗って来た。そして同じ顔が、五日目毎ぐらいの割に振り当てられていた。それは若い独身の機関手達の希望からであった。その出張費が、ちょうど、温泉の町での、一晩の簡単な遊興を支えることが出来たから。 二 吉田は終列車組の若い機関手であった。 併し吉田は、温泉の町の遊廓へ、出張費を持って行くことが殆んどなかった。彼は出張費の大半で新しい本を買うことにしているのであった。 「吉田! てめえ、いい歳をして、よく我慢していられるなあ? ピストン・ロットに故障でもあんのかい?」 仲間の機関手達はそんな風にいうことがあった。 「馬鹿いうな! 故障なんかあるも
佐左木俊郎
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