島村抱月 · 일본어
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원문 (일본어)
▲英國現代の文學者に、ホワイトといふ人がある。わが國ではまだ知られてゐない、英國の讀書界、殊に家庭の間には、非常に持て囃されてゐる。その人の作に、『セルボーンの博物學』と云ふ書物がある。全編書翰體で、セルボーンから寄せたやうになつてゐる。今日は森に入つて、こんな珍らしい草花を發見したとか、今日はかういふ樹木を見たとか、今日はかういふ鳥を見たとか、日ごと/\の出來事を書いたものだが、その筆法がいかにも寫生的か、讀者はさながらその境にあつて、親しくその物に接してゐるやうな感じがある。 ▲けれども、この書物は、わが國の寫生文とは違ふ。わが國の寫生文は文學であるが、この書物は文學ではない。博物學の説明を、趣味あらしめる爲めに、姑らく文學の形を借りて書いたのに過ぎぬ。趣意が全然違ふから、列べて比較する譯には行かぬ。 ▲西洋で、寫生文として最も古いものは、ボカチオの作デカメロンの緒言であらう。殊にその前半がさうである。千三百四十八年から九年に渉つて、フロレンスの町に惡疫が猖獗を極めた。七人の宮女と三人の紳士とが、それを數哩の市外に避けて、どうせ長くは生きぬのだから、生ある中、出來るだけ氣儘に暮らし
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島村抱月
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