津村信夫 · 일본어
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원문 (일본어)
月夜のあとさき 津村信夫 「戸隠では、蕈と岩魚に手打蕎麦」私がこのように手帖に書きつけたのは、善光寺の町で知人からきかされたのによる。 岩魚は戸隠山中でもそう容易には口に這入らない。岩魚釣を専門にしている、さる農家の老人をひとり知っているが、その他に所謂素人で、ひそかに釣に出るような人もある。 一日歩いて骨折ってみても、まずこんなものですよと云って、石油の空缶をのぞかせて呉れたのは、山の写真屋の隠居であった。空缶のなかには膚の美しい岩魚が、僅か二疋だけ泳いでいるにすぎなかった。 水の綺麗なところを選ぶこの川魚は、いささか神秘に属するものかもしれない。 足の悪い老人は、今朝から牧場のあたりから川に沿ってきたのだと云って、額の汗をふいていた。 「土地の人はこうして水を飲むのですよ」と云って、笹の葉を一枚舟の形に折って、私にも美しく澄んだ水を飲ませてくれた。 秋には坊の食膳にかならず蕈の類が上される。ふかい秋のもの哀しい風味がある。 晩夏の一日、私が奥社に詣でたとき、逆川のほとりの茶店に、新聞紙の上に一杯黄色い小さな蕈を干しているのを見た。傍にはグリムの物語にでも出てきそうな老婆がぼつねんと
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津村信夫
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