永井荷風 · 일본어
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원문 (일본어)
駒込辺を散策の道すがら、ふと立寄った或寺の門内で思いがけない人に出逢った。まだ鶴喜太夫が達者で寄席へも出ていた時分だから、二十年ぢかくにもなろう。その頃折々家へも出入をした鶴沢宗吉という三味線ひきである。 「めずらしい処で逢うものだ。変りがなくって結構だ。」 「その節はいろいろ御厄介になりました。是非一度御機嫌伺いに上らなくっちゃならないんで御在ますが、申訳が御在ません。」 「噂にきくと、その後商売替をしなすったというが、ほんとうかね。」 「へえ。見切をつけて足を洗いました。」 「それア結構だ。して今は何をしておいでだ。」 「へえ。四谷も大木戸のはずれでケチな芸者家をして居ります。」 「芸人よりかその方がいいだろう。何事によらず腕ばかりじゃ出世のできない世の中だからな。好加減に見切をつけた方が利口だ。」 「そうおっしゃられると、何と御返事をしていいかわかりません。いろいろ込入ったわけも御在ましたので。一時はどうしたものかと途法にくれましたが、今になって見れば結局この方が気楽で御在ます。」 「お墓まいりかね。」 「へえ。先生の御菩提所もこちらなんで御在ますか。」 「なに。何でもないんだが
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永井荷風
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