野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「おつと、待つた」 「親分、そいつはいけねえ、先刻――待つたなしで行かうぜ――と言つたのは、親分の方ぢやありませんか」 「言つたよ、待つたなしと言つたに相違ないが、其處を切られちや、此大石が皆んな死ぬぢやないか。親分子分の間柄だ、そんな因業なことを言はずに、ちよいと此石を待つてくれ」 「驚いたなア、どうも。捕物にかけちや、江戸開府以來の名人と言はれた親分だが、碁を打たしちや、からだらしがないぜ」 御用聞の錢形の平次は、子分のガラツ八こと八五郎を相手に、秋の陽ざしの淡い縁側、軒の糸瓜の、怪奇な影法師が搖れる下で、縁臺碁を打つて居りました。 四世本因坊の名人道策が、日本の圍碁を黄金時代に導き、町方にも專ら碁が行はれた頃、丁度今日の麻雀などのやうに一時に流行を極めた時分です。 尤も平次とガラツ八の碁はほんの眞似事で、碁盤と言つても菓子折の底へ足を付けたほどのもの、それにカキ餅のやうな心細い石ですから、一石を下す毎に、ポコリポコリと、間の拔けた音がするといふ代物、氣のいゝ女房のお靜も、小半日この音を聞かされて、縫物をし乍ら、すつかり氣を腐らして居ります。 「だらしがないは口が過ぎるぞ、ガラツ八
野村胡堂
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