野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
伽羅大盡磯屋貫兵衞の凉み船は、隅田川を漕ぎ上つて、白鬚の少し上、川幅の廣いところを選つて、中流に碇をおろしました。わざと氣取つた小型の屋形船の中は、念入りに酒が廻つて、この時もうハチ切れさうな騷ぎです。 「さア、皆んな見てくれ、こいつは七平の一世一代だ――おりん姐さん、鳴物を頼むぜ」 笑ひ上戸の七平は、尻を端折ると、手拭をすつとこ冠りに四十男の恥も外聞もなく踊り狂ふのでした。 取卷の清五郎は、藝者のお袖を相手に、引つきりなしに拳を打つて居りました。貫兵衞の義弟で一番若い菊次郎は、それを面白いやうな苦々しいやうな、形容のしやうのない顏をして眺めて居ります。 伽羅大盡の貫兵衞は、薄菊石の醜い顏を歪めて、腹の底から一座の空氣を享樂して居る樣子でした。三十五といふ、脂の乘り切つた男盛りを、親讓りの金があり過ぎて、呉服太物問屋の商賣にも身が入らず、取卷末社を引つれて、江戸中の盛り場を、この十年間飽きもせずに押し廻つて居る典型的なお大盡です。 「卯八、あの酒を持つて來い」 大盡の貫兵衞が手を擧げると、 「へエ――」 爺やの卯八――その夜のお燗番――は、その頃は飛切り珍しかつたギヤーマンの徳利を捧げ
野村胡堂
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