野村胡堂
野村胡堂 · japonés
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野村胡堂 · japonés
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Original (japonés)
「こいつは驚くぜ、親分」 ガラツ八の八五郎は、相變らず素頓狂な聲を出し乍ら飛込んで來ました。急に春らしくなつて、櫻の蕾がふくらみさうなある日の午頃のことです。 「驚くよ、八五郎が馬を曳いて來たつて、暮れ以來お手許不如意で、兩と纒まつた金はあるめえよ、なアお靜」 平次はお勝手で水仕事をしてゐる女房に聲を掛けました。 「馬なんか曳いちや來ませんよ」 八五郎の甚だ平かでないのへ押つ冠せて、 「お前と一緒に來て、路地の外に立停つた駒下駄の音はありや何んだえ。近頃流行つてゐる下駄の、それも小股の切上つた輕い音だが」 平次はひどく呑込んだ顏をして居るのです。 「驚ろいたなア、あつしと一緒に歩く小股の切れ上つた女は、馬と極めて居るんですか」 「まアそんな事だらうよ。お前の情婦ならドタドタするし、叔母さんと來ると、少しよろ/\して居る」 「そんな間拔なものぢやありませんよ。今朝麻布に不思議な殺しがあつたんですよ――六本木の大黒屋清兵衞の伜の清五郎が、軒の下に芋刺になつて死んでゐて、掛り人の何んとかいふ娘に下手人の疑いが掛つたから、助けてくれ――とその妹といふのが飛込んで來たんです。そりや良い娘ですよ親
野村胡堂
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