野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「親分、あつしはもう口惜しくて口惜しくて」 八五郎はいきなり怒鳴り込むのです。彼岸過ぎのよく晴れた朝、秋草の鉢の世話に、餘念も無い平次は、 「騷々しいな、何が一體口惜しいんだ。好物の羊羹でも喰ひ損ねたのか」 一向氣の無い顏を擧げるのでした。 「そんな氣樂な話ぢやありませんよ。親分も知つて居なさるでせう、菊坂小町と言はれた小森屋の娘お通が、昨夜殺されましたぜ」 「フーム」 「口惜しいぢやありませんか。あつしの岡惚れでも何んでも無いが、本郷中をピカピカさした娘を、虫のやうに殺して宜いものでせうか、親分」 「泣くなよ八、それにしても、向柳原に居るお前が、菊坂の殺しを俺より先に嗅ぎ出すのは、大層良い鼻ぢや無いか」 「追分に用事があつて、セカセカと本郷の通りを行くと、鉢合せしさうになつたのは、臺町の由松親分ぢやありませんか。その由松親分が、『菊坂小町が殺されて、昨夜から調べにかゝつて居るが、俺一人では我慢にも裁ききれねえ、錢形の親分を迎ひに行くところだ』といふから、あつしが引返して親分をつれ出すことになり、由松親分は其處から又菊坂の現場へ引返しましたよ――」 八五郎は言葉せはしく説明するのです。
野村胡堂
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