久生十蘭
久生十蘭 · japonés
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久生十蘭 · japonés
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Original (japonés)
一 秋が深くなって、朝晩、公園に白い霧がおりるようになった。 低く垂れさがった灰色の空から、眼にみえないような小雨がおちてきて、いつの間にかしっとりと地面を濡らしている。樹々の幹も、灌木も、草も、みな、くすんだ煤黝色になり、小径の奥の瓦斯灯が、霧のなかで蒼白い舌を吐いている。 風の吹いたあくるあさは、この小さな公園はすっかり落葉で埋まってしまう。桐や、アカシヤや、赤垂柳などの葉が、長い葉柄をつけたまま小径やベンチの上はうずたかくなる。 公園の看手が箒をもってやってきて、それを掃きあつめていくつも小山をこしらえる。落葉を焚く火で巻煙草をつけ、霧のなかに紛れこんでゆく白い煙りをながめながら、間もなく冬がくる、とつぶやくのである。 公園の広場をとりまく灌木のひくい斜面のしたに、水飲み場のついた混凝土の小さな休憩所がある。 砂場や辷り台で遊んでいる子供らを見張りながら、保姆たちがここでおしゃべりをする。夏の暑い日には、演習に来た兵隊さんが汗を乾かし、俄か雨のときには、若い二人づれがこのベンチのうえで身体を寄せ合うようにして、じっと雨脚をながめていたりする。 しかし、もう秋が深くなったので、この
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