堀辰雄 · 일본어
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원문 (일본어)
そのころ西の京の六条のほとりに中務大輔なにがしという人が住まっていた。昔気質の人で、世の中からは忘れられてしまったように、親譲りの、松の木のおおい、大きな屋形の、住み古した西の対に、老妻と一しょに、一人の娘を鍾愛しみながら、もの静かな朝夕を過ごしていた。 漸くその一人娘がおとなびて来ると、ふた親は自分等の生先の少ないことを考えて、自分等のほかには頼りにするもののない娘の行末を案じ、種々いい寄って来るもののうちから、或兵衛佐を選んでそれに娘をめあわせた。ふた親の心にかなったその若者は、何もかもよく出来た人柄だった上、その娘の美しさに夢中になってしまっていることは、はた目にもあきらかだった。そうしてそれからの二三年がほどというものは、誰にとっても、何もいうところのない月日だった。 が、そうやって世の中から殆ど隔絶しているうちに、その中務大輔のところでは暮らし向きの悪くなってゆく一方であることは、毎日女のもとに通って来る壻にも漸くはっきりと分かるようになった。そのなかでは、男だけは以前と変らずに手厚いもてなしを受けてはいた。それはかえって男には心苦しかった。が、女との語らいは深まる一方だった
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堀辰雄
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