Vol. 2May 2026

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梅若七兵衛

三遊亭円朝

引続きまして、梅若七兵衞と申す古いお話を一席申上げます。えゝ此の梅若七兵衞という人は、能役者の内狂言師でございまして、芝新銭座に居りました。能の方は稽古のむずかしいもので、尤も狂言の方でも釣狐などと申すと、三日も前から腰をかゞめている稽古をして居ませんければ、その当日に狂言が出来んという。それでも勤めますと後二三日は身体が利かんくらいだという、余程稽古のむず

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梅雨晴

永井荷風

森先生の渋江抽斎の伝を読んで、抽斎の一子優善なるものがその友と相謀って父の蔵書を持ち出し、酒色の資となす記事に及んだ時、わたしは自らわが過去を顧みて慚悔の念に堪えなかった。 天保の世に抽斎の子のなした所は、明治の末にわたしの為したところとよく似ていた。抽斎の子は飛蝶と名乗り寄席の高座に上って身振声色をつかい、また大川に舟を浮べて影絵芝居を演じた。わたしは朝寝

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梅龍の話

小山内薫

梅龍の話 小山内薫 著いた晩はどうもなかつたの。繪端書屋の女の子が、あたしのお煎餅を泥坊したのよ。それをあたしがめつけたんで大騷ぎだつたわ。でも姐さんが可哀さうだから勘辨してお遣りつて言ふから、勘辨してやつたの。赤坂のお酌梅龍が去年箱根塔の澤の鈴木で大水に會つた時の話をするのである。姐さんといふのは一時は日本一とまで唄はれた程聞えた美人で、年は若いが極めて落

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梓川の上流

小島烏水

梓川の上流 小島烏水 一 明科停車場を下りると、犀川の西に一列の大山脈が峙っているのが見える、我々は飛騨山脈などと小さい名を言わずに、日本アルプスとここを呼んでいる、この山々には、名のない、あるいは名の知られていない高山が多い、地理書の上では有名になっていながら、山がどこに晦くれているのか、今まで解らなかったのもある――大天井岳などはそれで――人間は十人並以

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梟啼く

杉田久女

梟啼く 杉田久女 私には信光というたった一人の弟があった。鹿児島の平の馬場で生れた此弟が四つの年(その時は大垣にいた)の御月見の際女中が誤って三階のてすりから落し前額に四針も縫う様な大怪我をさせた上、かよわい体を大地に叩き付けた為め心臓を打ったのが原因でとうとう病身になってしまった。弟の全身には夏も冬も蚤の喰った痕の様な紫色のブチブチが出来、癇癪が非常に強く

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梟の大旅行

林芙美子

梟の大旅行 林芙美子 むかしあるところに、梟が住んでいました。ふかいふかい森のなかで、晝も、ほの暗いところなのです。あんまり暗い森のなかなので陽氣なお天氣の好きな、小鳥や、りすも、みんな、森のそとがわに出て住んでいました。 梟はたった一人ぼっちで淋しいので、晝間も歌をうたって暮していました。 ぼろ着て奉公! ぼろ着て奉公! 梟が、ぱたぱたと羽ばたきをして、こ

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梟娘の話

岡本綺堂

天保四年は癸巳年で、その夏四月の出来事である。水戸在城の水戸侯から領内一般の住民に対して、次のやうな触渡しがあつた。それは領内の窮民または鰥寡孤独の者で、その身がなにかの痼疾あるひは異病にかゝつて、容易に平癒の見込みの立たないものは、一々申出ろといふのであつた。 城内には施薬院のやうなものを設けて、領内のあらゆる名医がそこに詰めあひ、いかなる身分の者でも勿論

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梟雄

坂口安吾

梟雄 坂口安吾 京の西の岡というところに、松波基宗という北面の武士が住んでいた。乱世のことであるから官給は至って不充分で、泥棒でもしなければ生活が立たないように貧乏である。 子供も何人かあるうちで、十一になる峯丸というのが絵の中からぬけでたように美しいばかりでなく、生れつきの発明、非凡の才智を備えていた。 才あって門地のない者が、その才にしたがい確実に立身す

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梨の実

小山内薫

梨の実 小山内薫 私がまだ六つか七つの時分でした。 或日、近所の天神さまにお祭があるので、私は乳母をせびって、一緒にそこへ連れて行ってもらいました。 天神様の境内は大層な人出でした。飴屋が出ています。つぼ焼屋が出ています。切傷の直ぐ癒る膏薬を売っている店があります。見世物には猿芝居、山雀の曲芸、ろくろ首、山男、地獄極楽のからくりなどという、もうこの頃ではたん

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棄権 ――芥川賞(第二十三回)選後評――

岸田国士

今度の芥川賞の銓衡には、私は選者としての任務を果すことができなかつた。 私が東京に在住してゐないため、事務的な連絡が思ふやうにとれなかつたからでもあるが、候補作品を受けとつてから委員会が開かれるまでの短時日に、折あしく健康を害しどうしてもその作品の全部に眼をとほす暇がなかつたため、私は、自分の意見を述べることを差控へざるを得なかつたのである。 しかし、どんな

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棄老伝説に就て

南方熊楠

棄老傳説に就て 南方熊楠 誰も知つた信州姨捨山の話の外に伊豆にも棄老傳説があると云ふのは(郷土研究三の二四三)棄てられた老人には氣の毒だが、史乘に見えぬ古俗を研究する人々には有益だ。一九〇八年板ごむの「歴史としての民俗學」第一章などを見ると、今日開明に誇る歐羅巴人の多くの祖先も都々逸御順で、老は棄てられ壯きは殘る風俗で澄して居たらしい。吾邦固より無類の神國で

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棄轎

田中貢太郎

上州の田舎の話である。某日の夕方、一人の農夫が畑から帰っていた。それは柄の長い鍬を肩にして、雁首を蛇腹のように叩き潰した煙管をくわえていた。そして、のろのろと牛のように歩いていると、路傍の松の木の下に異様な物を見つけた。 「ほう」 それは見る眼にも眩しい金と銀の金具をちりばめた轎であった。 「諸侯の乗るような轎じゃねえか」 それにしても、轎夫もいなければ伴の

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棉の花

原民喜

十歳の時の夏、構造は川端の小母の家で暮した。小母は夕方、構造を連れて畑のなかを通って、或る家の風呂へ入らして貰ひに行くのだった。湯気で上気した小母の顔が湯気の中の電燈と一緒に彼の瞳に映ったりした。帰りは月が出てゐて、畑には棉の花が咲いてゐた。 或る日、母が来て、久し振りで見た母の顔は懐しかったが、もういい加減で家へ帰らないかと誘ひ出すと、構造は顔を顰めて駄々

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まかないの棒

黒島伝治

まかないの棒 黒島傳治 京一が醤油醸造場へ働きにやられたのは、十六の暮れだった。 節季の金を作るために、父母は毎朝暗いうちから山の樹を伐りに出かけていた。 醸造場では、従兄の仁助が杜氏だった。小さい弟の子守りをしながら留守居をしていた祖母は、恥しがる京一をつれて行って、 「五体もないし、何んちゃ知らんのじゃせに、えいように頼むぞ。」 と、彼女からは、孫にあた

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棚田裁判長の怪死

橘外男

棚田裁判長の怪死 橘外男 一 家老屋敷 その不可解な死を遂げた判事の棚田晃一郎氏だけは子供の時分からよく知っています。私とは七つ八つくらいも年が違っていたかも知れませんから、学校や遊び友達が一緒だったというのではありませんが、棚田の家は広い田圃を距てて私の家とちょうど向合いになっていました。私の父はその頃この小さな町の農事試験場の技師をして、官舎に住んでいま

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棣棠の心

岸田国士

棣棠の心 岸田國士 ファルギエール通りの貸本屋で、「マリイへの御告」を借りて来て、それをモンパルナスの墓地で読んだ――クロオデルを初めて知つたのはその時である。 ボオドレエルの死像の前に菫の花束などが置いてあつた。 なるほど、これは違つた世界だ――さう思つた。 やがて、喪服を着た若い女の、つゝましい瞬きに心を惹かれた。 ――然し、その女は「天刑病者の接吻を受

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森のなかの三人の小人

グリムヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール

むかし、あるところに、おかみさんに死なれたひとりの男と、だんなさんに死なれたひとりの女とがおりました。この男には、ひとりのむすめがありました。女にもひとりのむすめがありました。むすめどうしはおたがいに知りあいでした。 ある日、ふたりはいっしょに散歩にいったかえりに、女のほうの家へよりました。すると、女が男のほうのむすめにむかっていいました。 「いいかい、あん

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森の中の犬ころ

小川未明

町のある酒屋の小舎の中で、宿無し犬が子供を産みました。 「こんなところで、犬が子を産みやがって困ったな。」と、主人は小言をいいました。これも、小僧たちが、平常小舎の中をきれいに片づけておかないからだと、小僧たちまでしかられたのであります。 「この畜生のために、おれたちまでしかられるなんて、ばかばかしいこった。犬の子を河へ流してきてしまえ。」と、小僧たちは話を

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森先生の事

永井荷風

森先生の事に關してわたしは一時にいろ/\の雜誌や新聞から執筆を請はれてゐるが、今の場合何を書いてよいものか殆ど考をまとめる事ができない。もすこし時日を經た後でなければ何も書く氣にはなれない。 森先生が六十年の生涯と其の間に研究された學藝とは宛ら百科辭典の如くに廣大なものである。 わたしの窺ひ知る事を得たのは僅に先生が文藝の一局面に止つてゐる。それさへ仔細に見

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森の声

薄田泣菫

森の声 薄田泣菫 自分は今春日の山路に立つてゐる。路の両側には数知れぬ大木が聳え立つて、枝と枝との絡みあつたなかには、闊葉細葉がこんもりと繁つて、たまたまその下蔭を往く山番の男達が、昼過ぎの空合を見ようとしたところで、雲の影ひとつ見つけるのは、容易な事では無い。何といつても、承和の帝から禁山の御宣旨があつて以来、今日まで斧ひとつ入らぬ神山である。夏が来て瑞葉

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森の妖姫

小川未明

何の時代からであるか、信濃の国の或る山中に、一つの湖水がある。名を琵琶池といって神代ながらの青々とした水は声なく静かに神秘の色をたたえて、木影は水面の暗きまでに繁りに繁り合うている。人も稀にしか行かない処で、春、夏、秋、冬、鳥の啼声と、白雲の悠々と流れ行く姿を見るばかり。 偶々道に迷うて、旅人のこの辺まで踏み込んで、この物怖しの池の畔に来て見ると、こは不思議

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森山啓に

槙村浩

漠冥たる成層が旋律を地上で引き裂く私はあなたの健康がそれに耐え得るかを気遣ったこんな場合、あなたは物狂わしくなるにはあまりに古典的だそしてあなたのE線はひとりでに鳴ることを止め朽ちるまで鳴ることを止めようとした―――それは単に私の杞憂だったか困難な、漠冥たる成層の中で、あなたはまたE線を繋ぎ直した赤外や紫外や緑外を超えたその他一切の地下の光線をこだわりなく貫

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森の暗き夜

小川未明

女はひとり室の中に坐って、仕事をしていた。赤い爛れた眼のようなランプが、切れそうな細い針金に吊下っている。家の周囲には森林がある。夜は、次第にこの一つ家を襲って来た。 森には、黒い鳥が棲んでいる。よく枯れた木の枝などに止まっているのを見た。また白い毛の小さな獣物が、藪に走って行くのを見た。枯木というのは、幾年か前に雷が落ちて、枯れた木である。頭が二つの股に裂

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森本薫君について

岸田国士

森本薫君の作品を読むと非常に新しい美しさを感じるけれども、さてその森本君のほんたうの新しさといふものは何であるかよくわからないといふ批評があります。森本君の新しさは、今として、つまり、さういふぐあひに問題にされる性質のものと思ひます。今度偶然に、森本君の亡くなつた京都から『劇作』が再刊されることになりましたが、そのことは、何かしら『劇作』の新しい出発点に森本

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