菊池寛 · 일본어
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원문 (일본어)
汽車が、国府津を出た頃、健作は食堂へは入つて行つた。寝るまでの中途半端の時間なので、客は十四五人もあちらの卓や此方の卓に散在してゐた。大抵は、二三人づれでビールや日本酒を飲んでゐた。健作は、晩飯を喰つてゐないので、ビフテキとチキン・ライスを註文した。 健作は、チキン・ライスを喰つてしまつてから、ふと気がついたのだが、健作が坐つてゐる席とは一番遠い端に、此方へ背を向けて、坐つてゐる女が、愛子に似てゐることだ。 肩の容子や、襟筋や着物の好みが、愛子を想ひ起さずにはゐられなかつた。愛子とは、もう五年以上会つてゐなかつたし、彼女が、商科大学出の秀才と結婚したと云ふ以外は、何もきいてゐないのだが、しかし彼女の後姿などはどんな場合にでも、思ひ出せないことはなかつた。その上、商科大学出の秀才らしい男が彼女とさし向ひで、食事をしてゐた。 腰かけてゐるために、背の高さは、分らなかつたが、立ち上つたら、スラリとするに違ひない上半身を持つてゐた。フォークの使ひ方などが、十分は分らないが、愛子らしい手さばきだつた。 健作は、愛子と一緒に、幾度も食事をした。だが、そんな場合、彼女位、はにかみ屋はなかつた。どんな
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