木下尚江 · 일본어
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원문 (일본어)
大野人 木下尚江 昨年の秋『日蓮論』の附録にする積りで書きながら、遂に載せずに今日に及べるもの 一 日蓮を書いて居ると、長髪白髯の田中正造翁が何処からともなく目の前に現はれる。予は折々、日蓮を書いて居るのか、翁を書いて居るのかを忘れて仕舞つた。予が始めて翁を知つたのは最早十年以前。其時は丁度六十であつた。田中正造と云へば足尾鉱毒問題の絶叫者として、議会の名物男と歌はれて居た。予は其の議会の演説と云ふものを、一度も聴かなかつたが、速記録で読むと、銅山主や政府当局に対する罵詈悪口が砲弾の如く紙上に鳴動して、関東の野人が、満面朱を注いで怒号する様子がアリ/\と見えた。然れども其の罵詈悪言の余りに猛烈な為めに、予は却て鉱毒問題其物に対して、窃に疑惑を抱かぬでも無かつた。或人は冷かに『田中の鉱毒は政略さ』と笑つて居た。 予が始めて御目にかゝつたのは、翁が進歩党を脱した、春の未だ寒い時分であつた。其頃予は足尾の山の視察記を書いて居た。或日編輯室で忙がしく筆を運ばせて居ると、社の長老の野村さんが、『田中君が一寸お目に掛りたいと言つて居ますが』、と、例の丁重な調子で言はれた。『田中?』と、予が不審がる
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木下尚江
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