新村出 · 일본어
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원문 (일본어)
十数年このかた冬から春へかけて蕗の薹を嗜食するやうになつたが、もとは確か咳嗽の薬だとか云つて亡き母がどこからか貰つて来たのを、塩からく烹させて食べたのから始まつたと思つてゐる。 少年のとき、朝のおつけに、あれを刻み込んで父がさもうまさうに味つてゐたのを、それこそ苦々しさうに眺めてゐたことも覚えてゐる。 近年は毎季しばしばそれを賞美して独り悦に入つて、時には『猿蓑』の連句に、芭蕉が、 蕗の芽とりに行燈ゆりけす と附けたのを想起して、集をひもといて、去来が、それに、 道心のおこりは花のつぼむ時 と承けたのを見て、うたゝ自分の老境を嘆ずるばかりである。 去年の三月の末には、珍しくも東京からの帰途に夜行の汽車をとつて、早朝美濃路にさしかゝつて、不破の関近きトンネルを抜けた刹那、土手の斜面に、まだもえはじめぬ野草の裡から蕗の薹が一面にはえてゐたのを見つけて、露けき朝まだきの新鮮さを感賞したことがあつた。当日の日記に、「三月三十日、晴れ、美濃路に入りてより車窓外をみる、藤川はすでに過ぎてトンネルに入るころなり、トンネルを出でて左かはの土手に蕗の薹のむらだち眼に入る、緑いろに白き芽のもえたちなり、桃
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新村出
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