薄田泣菫
薄田泣菫 · 일본어
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薄田泣菫 · 일본어
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원문 (일본어)
むかしは男は月代といふものを剃つたものだが、それは髭を剃る以上に面倒くさいものであつた。伊勢の桑名に松平定綱といふ殿様があつた。気むづかしやで、思ふ存分我儘を振舞つたものだが、とりわけ月代を剃るのが嫌ひであつた。 「我君、だいぶお頭が伸びましたやうでございますが……」 家来がかう言つてそれとなく催促しても、殿様は余程気軽な時でないと、滅多に月代を剃らうとは言ひ出さなかつた。やつと口説き落して、家来が剃刀を持つて後に立つと、気むづかしやの殿様は螻蛄のやうに頭を振つてどうしても剃らさうとしなかつた。 「我君、お危うございます。」と剃刀を持つたまま泣き出しさうに家来が言ふと、殿様はなほ調子に乗つて頭を振立てた。 「俺の頭はこんなにぐらぐらするのが癖だからの。」 とど終ひには、家来が粗忽をして、家来にとつて余り大事でない殿様の頭によく傷をつけたものだ。すると、気儘な殿様は、主人の頭に傷をつけた不届者だといつて、すぐに立ち上りざま手打にしたものだ。 かうした理由で、家来の幾人かが手打にせられたので、終ひには誰一人月代を剃らうと言ひ出す家来はなくなつた。で、殿様の頭は荒野のやうに髪が伸び放題に伸び
薄田泣菫
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