徳田秋声 · 일본어
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원문 (일본어)
昨夜も散歩の帰りに、好子は子供のことで少しばかり融に訴へるところがあつた。訴へるといつても、それは愚痴とか不満とかいふやうな種類のものでは決してなかつた。たゞ融の亡妻の遺した丸子と、好子自身の子の百合子とに対する彼女の平等な母性愛を基調として、一方が少しでも余計に幸福になつたり、一方が少しでも不幸を感じたりすることのないやうにと、いつも細かく神経をつかつてゐる彼女が、子供のどつちかゞ遠慮して硬くなつたり、怯気づいて萎縮したりするやうな場合に、幸福と感謝に浸つてゐる心に、何うかすると暗い影が差してくるのでつひ融に訴へずにはゐられないのであつた。 好子はどんな場合にも、朗らかな正しい眼で二人を見てゐた。可けないことがあれば丸子でも叱らないとは限らなかつたし、百合子のことも表裏なく言ふべきことは言つて聞かせるのに躊躇しなかつた。 「どうも百合子が少し増長していけない。」好子は時々それを気にしたが、丸子は兎に角として、丸子の多勢の兄弟たちのなかにゐるときの百合子が、余り好くしたとはいへない継母の手元で習慣づけられた、硬くなつて自分の殻に閉ぢこもるやうな癖を、動もすると出すので、それが気にかゝつ
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徳田秋声
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