野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
かねやす迄を江戸のうちと言つた時代、巣鴨や大塚はそれから又一里も先の田舍で、田も畑も、武藏野の儘の木立も藪もあつた頃のことです。 庚申塚から少し手前、黒木長者の嚴めしい土塀の外に、五六本の雜木が繁つて、その中に、一基の地藏尊、鼻も耳も缺け乍ら、慈眼を垂れた、まことに目出度き相好の佛樣が祀られて居りました。 尤も、板橋街道の直ぐ傍で、淋しいと言つても、半町先には町並らしいものがあり、黒木長者に出入する商人やら里人やら、この地藏尊の側を通して貰はなければなりません。が、何分にも、時代も素姓も知れぬ濡れ佛で、折々の齋を獻ずる者はおろか、涎掛けの寄進に付く者もないといふ哀れな有樣だつたのです。 それが、何時から始まつた事か、冷たい筈の石地藏の肌が人間のやうに生温かくなつて居ることが發見されました。最初は多分、其邊で鬼ごつこでもして居る、里の子供達が氣が付いたのでせう。何時の間にやらそれが、大人の口に傳はつて、巣鴨、大塚、駒込界隈一圓の大評判になつて了ひました。 「地藏樣の肌が暖かい! そんな馬鹿なことがあるものか、石で彫んだ鼻つ缺けの地藏だ。大方陽が當つて暖まるんだらう」 そんな事を言つて、一
野村胡堂
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