野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「親分は長い間に隨分多勢の惡者を手掛けたわけですが、その中で何んとしても勘辨ならねエといつた奴があるでせうね」 ガラツ八の八五郎は妙なことを訊ねました。 晩秋のある日、神田の裏長屋の上にも、赤蜻蛉がスイスイと飛んで、凉しい風が、素袷の襟から袖から、何んとも言へない爽快さを吹き入れます。 「それはある」 平次は煙管を指の先で廻し乍ら、あれか、これかと考へて居る樣子でした。 「滅多に人を縛らない親分が、憎くて/\たまらなかつたといふ相手は一體どんな野郎です」 「主殺し、親不孝、――そんなのは惡いに相違ないが、――本當に憎くてたまらないのは子さらひだよ」 「へエ――?」 「梅若丸の昔から、人さらひの種は盡きないが、子供をさらはれた親の歎きを思ふと、俺は斯う息づまるやうな氣がするよ、――世の中にあれほど殺生な惡事はないな」 「そんなものですかねエ」 八五郎は長んがい顎を撫て感心して居りました。 「ところで八」 「へエー」 「近頃俺は、誘拐された子供を搜してくれと頼まれてゐるんだ」 「搜してやりや宜いぢやありませんか」 「相手がよくないよ」 「へエー」 「二千二百石取の御大身、お旗本の歴々だ。町
野村胡堂
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