野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「あ、錢形の兄さん」 平次は兩國橋の上で呼留められました。四月の末のある朝、申分なく晴れた淺黄空、初鰹魚の呼び聲も聽えさうな、さながら江戸名所圖繪の一とこまと言つた風情でした。 「おや、お品さんぢやないか、こんなに早くどこへ行くんだ、お詣りや物見遊山でも無ささうだが――」 呼び留めたのは、平次の大先輩で、昔は相當に顏を賣つた御用聞き、石原の利助の娘で、お品といふ美しいの。 「まア、私は」 お品は取亂した樣子が耻かしくなつた樣子で、あわてゝ、髮を直したり、帶を叩いたりして居ります。蒼白く冴えた細面が、少しばかり鼻白んで、二十五の若さが匂ふ年増でした。父親の利助は、事毎に錢形平次と爭つた練達無比の男でしたが、去年の春から輕い中氣で寢込んでしまひ、子分達の離散を防ぐため皆のものに勸められて、出戻りの娘お品が、女だてらに十手捕繩を預かり、辛くも父親の代理を勤めて居る有樣だつたのです。 お品は氣象者で、申分なく怜悧な女でしたが、それでも血腥い事件には怖氣をふるひ、神田明神下に飛んで行つてはツイ、仲の好いお靜に助太刀を頼んで、事毎に錢形平次を引つ張り出すのでした。 物好きな江戸つ子達は、蔭ではお品
野村胡堂
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