野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「あつしはつく/″\世の中がイヤになりましたよ、親分」 八五郎は柄にもなく、こんなことを言ひ出すのです。 「あれ、大層感じちやつたね、出家遁世でもする氣になると、二三人泣く娘があるぜ」 平次は縁側に腰を掛けたまゝ、明日咲く鉢の朝顏の蕾などを勘定して居りました。まことに天下泰平の姿で、八五郎の厭世論などには乘つてくれさうもありません。 「何時の世になつたら、惡い事をする奴が無くなるのでせう。喧嘩だ、殺しだ、泥棒だ、放火だと、毎日々々惡い人間を追ひ廻して居るこちとらだつて、大概イヤになるぢやありませんか」 「惡い奴と岡つ引、考へて見ると、病氣と醫者見てえなものさ、何處まで行つても切りが無いから、宜い加減のところで十手捕繩を返上して、高野の山へでも登るとしようか。クリ/\坊主になると、額の寸が詰つて、八五郎も飛んで良い男になりさうだぜ」 平次と八五郎の掛け合ひは、相變らず無駄が多くなつて來ました。七月二十七日もやがて晝近い陽射しで、縁側に掛けてゐても汗がにじみさうです。 「ところで、親分は、昨夜の月待ちを何處でやりました」 「俺は寢待ちさ。信心氣がないやうだが、此間からの御用疲れで、宵から一
野村胡堂
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