野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「親分、お早やう」 飛込んで來たのは、お玉ヶ池の玉吉といふ中年者の下つ引でした。八五郎を少し老けさせて、一とまはりボカしたやうな男、八五郎の長んがい顏に比べると、半分位しか無い、まん圓な顏が特色的でした。 「玉吉兄哥か、どうしたんだ、大層あわてゝ居るぢやないか」 明神下の平次の家、障子の隙間からヌツと出したのは、その八五郎の長んがい顎だつたのです。 「錢形の親分は?」 お玉ヶ池の玉吉は、氣拔けがしたやうに、ぼんやり立つて居ります。 「留守だよ、笹野樣のお供で、急の京上りだ」 與力筆頭笹野新三郎は、公用で急に京都へ行くことになり、名指しで錢形平次をつれて行つたのは、つい二、三日前のことだつたのです。 「そいつは弱つたな、歸りは?」 「早くて一と月先、遲くなれば來月の末だとよ、その間俺の叔母は、此處へ留守番に泊り込みだから、叔母の家に厄介になつて居る俺は、日に三度店屋物を取るわけに行かねえ、口だけは此處へ預けて、向う柳原から通つて居る始末さ」 「弱つたなア」 「何を弱つて居るんだ、錢形の親分の留守中は、憚り乍ら俺は城代家老さ、困ることがあるなら遠慮なく言ふが宜い、金が欲しいなら欲しいと――
野村胡堂
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