林芙美子 · 일본어
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원문 (일본어)
瑪瑙盤 林芙美子 1 ミツシヱルは魚ばかり食べたがる女であつた。 魚屋の前を通ると、牡蛎籠の上に一列に並んでゐるレモンの粒々に、鼻をクンクンさせたり鮫の白い切り口を、何時までも指で押してみたりしては買へもせぬ癖に、何か口の中でブツブツものをいひながら、立ちつくしてゐることがあつた。 ミツシヱルは南フランスの生れで、髪は南国風に黒つぽい色をしてゐる。 「小さいお嬢さん! 私しのびなき」 寒子のアパルトへ来ると、かうして泣いて見せるのが、ミツシヱルの得意である。 「又、しのび泣きなの、困るわね」 ミツシヱルは、寒子の描きかけてゐる画架に凭れると、暫時は、しのびなきの話に耽ける。 「貴女はムッシュウ河下に手紙を出しますか、みつちやんしのびなきと云つて下さいね」 ミツシヱルのいふしのびなきの唄は、さだめし、此の河下の残した憶ひ出なのであらう。時々思ひ出したやうに、ミツシヱルは、河下の話をしては唄をうたふ。 雨は降る降る じやうが島の磯に りきやう鼠の雨が降る 雨は真珠か 夜明けの霧か それとも妾のしのびなき 片言混りな唄ひ振りではあつたが、切々たるミツシヱルの声は、どうかすると、寒子の郷愁をあ
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林芙美子
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