堀辰雄 · 일본어
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원문 (일본어)
或る夜、或る酒場から一人の青年がふらふらしながら出て來た。彼は非常に泥醉してゐるやうに見えた。タクシイ! と彼は聲高に叫んだ。 一臺の汚らしいタクシイが止つた。彼はふらふらしながらそれへ乘つた。車はがたがた走り出した。それをちやうど巡中の巡査がやや離れた所から見てゐたのであつた。車が走り去つてしまふと、その跡に手帳のやうなものが落ちてゐるのを巡査は認めた。青年が落して行つたものらしかつた。そこまで歩いて行つて見ると、それはやはり黒皮の手帳だつた。巡査はそれを取り上げて、街燈の光りで、ところどころ讀んで行つた。 午前九時に 僕は眼をさますのだ 頭の中から夢が逃げてゆくのを見ながら 僕はすこし頭痛がする 僕は新聞を讀む 食慾増進劑として それから僕はチュウリップのやうに食事をする そしてそれを消化するため 再びベットの上に横になる ブライヤアのパイプを吹かしながら それは僕の掌をまるで小鳥のやうに温める 僕は漸く落着く それから僕は机に向つて 猿が蚤を探すやうに 僕のインスピレエションを探す 僕はペンを取り上げる ………… そこまで讀んでくると、巡査はぱらばらと頁をめくつたのである。 夜に
堀辰雄
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