牧野信一 · 일본어
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원문 (일본어)
一日晴 明方五時、時計は壊れてゐるが、空や影や光の具合で大概見当がつく、――売薬嗜眠剤の悪夢に倦きたので旬日の禁を犯して洋酒を摂る。漸くにして陶然たる頃、窓方の明るみも亦仄かとなる。水眼鏡の眼を視開いて水底をさ迷はん夏の日のことを思ふ。B兄妹に起される、途上にて出遇ひたるといふ余の母の言伝を寄す――生母の病気見舞に二旬以来滞京中のS女(妻)は明夕帰宅の由。N女(Bの令妹)を徒歩にて帰らしめBの側車に搭乗して病院へ送らる。日毎これをもつて送迎を得ば幸甚なりと云へばBは苦笑して答へず。酒を飲用せることを一切口にせず。 夜「クリトン」を再読する。既にして冒頭の数頁を暗誦してゐるのに気づいた。(理由はないのだが大分前から自分で選んで自分で本を買ふといふ習慣を忘れてゐる。自分は彼女に頼みもしなければ口にもしないのだが妻は時々自身の為に買つたのであらう本を私の机辺に置いて行く。そのやうにして溜つた本が二十冊近くある、今私は他に一冊の本も持つてゐない。)未だ「プラトン対話篇」を翻読したのみなれど、嗜眠剤などを滅多に服用せぬ吾身にはその効めが不気味に顕著なるが如く、稀の読書が又いちいち胸を感激させるこ
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牧野信一
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