牧野信一 · 일본어
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원문 (일본어)
城ヶ島といふと、たゞちに北原白秋さんを連想する――といふより白秋さんから、わたしは城ヶ島を知り、恰度酒を飲みはじめた十何年か前のころ、わたしたちは酔ひさへすれば、城ヶ島の雨を合唱したものである。白秋さんが、三崎から小田原へ移つて何年か経ち、恰も、千鳥の唄をつくられて間もないころではなかつたらうか。 わたしは白秋さんが、かなりながく住んでをられた小田原の天神山といふ明るい孟宗竹と芝の小山に営まれた木兎の家を、引上げられる一二年前に何か所用があつて東京からお訪ねしたのを初めに、わづかの間であつたが、どうもそれが悉く春の季節で、欲深和尚が筍を盗みに現れる影法師を、木兎の家の窓から朧月を透して見物したことや、おやまあ、こんなところにもツクシンボウの芽が出てゐるぞ、ほらまた、こゝにも――と水々しい朝あけの芝を、ゆうべの踊りをおもひ出す足どりで踏んでゐた白秋さんが、何か余程貴重なものでも発見したやうに驚嘆の声をもつて指さし、その度毎に空を仰いでわらはれてゐたのをいつも今ごろになつて、どこからともなく貝の音色を感ずるやうな微風に吹かれると、突拍子もなくおもひ出すのである。 そのころ白秋さんの詩の一つ
牧野信一
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