牧野信一 · 일본어
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원문 (일본어)
枳殻の生垣に、烏瓜の赤い実が鮮やかであつた。百舌鳥が栗の梢で、寒空を仰いで激しく友を招んでゐた。武兵衛さんが、曲つた腰を伸して、いつまでも、鳥の声の方を見あげてゐた。彼の口から立ちのぼる呼吸が、ふわふわとする煙であつた。――武兵衛さんのことを皆は、武さんと称び慣れてゐた。武さんは、蜜柑山の向方の村から、馬を曳いて、僕のうちの母家のまはりの野菜畑やら、果樹や竹藪の手入れに来る厳丈な年寄りである。 僕はこの前の時、武さんの馬から墜落して、左腕を首から吊つてゐた。遊びをとめられてゐた。納戸の北側の窓から、長持の上に乗つて、憾めしく武さんの馬を眺めてゐた。馬は巴旦杏の幹につながれて、飼馬桶にうな垂れてゐた。 祖母が切りに僕の名前を呼び、もう遊びに出かけたのか知ら、未だ少しばかり熱があるといふのに仕様のない子だよ――と、うろうろしてゐるらしかつたが、僕はそつと納戸の扉に内から、木刀をしんばり棒にかつて息を殺してゐた。 やがて祖母は、武さんの傍に現れて何か訊ねると、武さんはかぶりを振つてゐた。そして、ふたりは籔ぎわの日向で尾を振つてゐる馬を振り返つて、うなづいた。祖母はいくらか安心の態で、柚の実を
牧野信一
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