牧野信一 · 일본어
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원문 (일본어)
「メートル係り。」 それが私の仕事である。 伐木場から橇で運ばれて来る木材の切り口を物差で計るのである。私は槍のやうに長い物差を振り廻して木口の寸法を計ると、 「何メートル、何々……」 と非常に大きな声で――相当の間隔のある事務所の窓口でそれを即座に記帳する係の者に一ト声で易々と聞きとれる程度に、だから、それは兵卒に向つて照尺の度合を命令する指揮官の号令ほどの明確さと声高さを要するのだ――叫ばなければならないのである。橇は間断なく到着するので、私は指揮官のやうな号令を、のべつに叫び続けなければならないのである。 麓の村から二里も入る山奥の製材所の仕事である。 「このごろでは、すつかりあなたの声はプロフエツシヨナルになつて来たわよ。」 「喉が吹つきれたと見えるな。」 「ほんとうよ。今でもあたし、帳簿をつけながら、それがあなたの声だとは思へないことよ。その小さい姿さへ見なければ――」 「さうだらう。自分でも時には、うつとりとすることさへあるもの――」 窓口の記帳係は妻のこともあつた。私達は、或る特別の好意で短い期間をそこの事務所に雇つて貰つたのである。「特別の好意」といふものゝうちには、私
牧野信一
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