Vol. 2May 2026

Sách

Thư viện tri thức thế giới miền công cộng

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山の今昔

木暮理太郎

我国に於て山登りが始められたのは何時頃からであるか、元より判然たることは知る由もないが、遡って遠く其源を探って見ると、狩猟を以て生活の資を得ていた原始民族に依りて、恐らく最初の山登りが行われたであろうことは想像するに難くない。もとより到る処に獲物の多かったことが考えられる原始時代には、深山幽谷をあさる迄もなく、平地の森林、原野、河沼等に於て充分日常の生活資料

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山の別荘の少年

豊島与志雄

山の別荘の少年 豊島与志雄 私は一年間、ある山奥の別荘でくらしたことがあります。なかば洋館づくりの立派な別荘でした。番人をしている五十歳ばかりの夫婦者と、その甥にあたる正夫という少年がいるきりでした。私は正夫とすぐに親しくなって、いろいろなことを語りあい、いろいろなことをして遊びました。たくさん思い出があります。そのいくつかをお話しましょう。 一 さくら 別

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山吹町の殺人

平林初之輔

山吹町の殺人 山吹町の殺人 平林初之輔 一 男の顔にはすっかり血の気(け)が失(う)せていた。ふらふら起(た)ち上(あが)って台所へ歩いてゆく姿は、まるで幽霊のようだった。出来るだけ物音をたてないように用心しながら、彼はそっと水道の栓(せん)をねじって、左手の掌(てのひら)にべっとりついている生々(なまなま)しい血糊(ちのり)を丹念に洗い落した。それから、電

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山吹の花

豊島与志雄

山吹の花 豊島与志雄 湖心に眼があった。青空を映し、空に流るる白雲を映して、悠久に澄みきり、他意なかったが、それがともすると、田宮の眼と一つになった。田宮の眼が湖心の眼の方へ合体してゆくのか、湖心の眼が田宮の眼の方へ合体してくるのか、いずれとも分らなかったが、そうなると、眼の中がさらさらと揺いで、いろいろな人事物象が蘇って見えた。 それらの人事物象から、田宮

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山地の稜

宮沢賢治

山地の稜 宮沢賢治 高橋吉郎が今朝は殊に小さくて青じろく少しけげんさうにこっちを見てゐる。清原も見てゐる。たった二人でぬれた運動場の朝のテニスもさびしいだらう。そのいぶかしさうな眼はどこかへ行くならおれたちも行きたいなと云ふのか。それとも私が温床へ水でも灌ぐとこかも知れないと考へてゐるのか。黄いろの上着を着たってきっと働くと限ったわけぢゃないんだぞ。私は今朝

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山の声

宮城道雄

山の声 宮城道雄 私が失明をするに至った遠因ともいうべきものは、私が生れて二百日程たってから、少し目が悪かったことである。しかし、それから一度よくなって、七歳の頃までは、まだ見えていたのであるが、それから段々わるくなって、九歳ぐらいには殆ど見えなくなってしまった。それで、私が、今でも作曲する時には、その頃に私が見ていた、山とか月とか花とか、また、海とか川とか

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山姑の怪

田中貢太郎

山姑の怪 田中貢太郎 甚九郎は店に坐っていた。この麹町の裏店に住む独身者は、近郷近在へ出て小間物の行商をやるのが本職で、疲労れた時とか天気の悪い日とかでないと店の戸は開けなかった。 それは春の夕方であった。別に客もないので甚九郎は煙管をくわえたなりで、うとうととしていると何か重くるしい物音がした。店の上框へ腰をかけた壮い女の黒い髪と背が見えた。甚九郎は何も云

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山姥の話

楠山正雄

山姥の話 楠山正雄 山姥と馬子 一 冬の寒い日でした。馬子の馬吉が、町から大根をたくさん馬につけて、三里先の自分の村まで帰って行きました。 町を出たのはまだ明るい昼中でしたが、日のみじかい冬のことですから、まだ半分も来ないうちに日が暮れかけてきました。村へ入るまでには山を一つ越さなければなりません。ちょうどその山にかかった時に日が落ちて、夕方のつめたい風がざ

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山家ものがたり

島崎藤村

空に出でゝ星くずの明かにきらめくを眺むれば、おのれが心中にも少さき星のありて、心の闇を照すべしと思ふなり。涓々たる谷の小河の草の間を流れ行くを見れば、おのれが心中にも細き小河のありて、心の草を洗ふべしと思ふなり。哀壑に開落する花を見れば、おのれが心中にも時來つて開き時去つて落つべき花のあるべしと思ふなり。願はくは心中一點の星をして、思ふがまゝに其光を放たしめ

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山の宿海の宿

河井酔茗

海辺の旅宿は、潮の香がする。山中の旅宿は苔の香がする。 裏には、貝殻や、魚籠が散乱てゐる。海に近いからであらう。庭には、枯柴や、草籠が片よせてある。山に近いからであらう。 海辺の宿の女中は、必ず白粉を塗つてゐる。山の宿の女中は、必ずしも白粉をつけて居ない。前者には渡り者が多く、後者には土着の女が多い。 海の宿にはなまめかしさがある。山の宿には古めかしさがある

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山寺の怪

田中貢太郎

宿の主将を対手にして碁を打っていた武士は、その碁にも飽いて来たので主翁を伴れて後の庭へ出た。そこは湯本温泉の温泉宿であった。摺鉢の底のような窪地になった庭の前には薬研のように刳れた渓川が流れて、もう七つさがりの輝のない陽が渓川の前方に在る山を静に染めていた。山の麓の渓川の岸には赤と紫の躑躅が嫩葉に刺繍をしたように咲いていた。武士の眼は躑躅の花に往った。躑躅の

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山岳浄土

中村清太郎

いまや白衣をぬいで浄光をはなつ山々、しずまりたもうかたを拝んで筆をとる。秩父おろしが枯葉をまいて、思いは首筋から遠く天外をかけめぐる。そこにまたしてもかずかずの、すぎし山間遍歴のあとがあらわれる。そしてなんたるしみじみしい景色だ。ゆったりした景色だ、清らかな景色だ。 ゆらい老人は、むかしを語るをこのむという、そうかも知れない、が、なんでもむかしのものはよく、

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山岳美観 01 序

藤原咲平

今度協和書院から吉江、武井兩氏の山岳美觀が出る事になつたと云ふ。吉江氏とはまだ不幸辱知の榮を得ないが武井眞澂畫伯は年來尊敬する高士であるから院主の需に應じて、潛越を顧みず敢て一言を序する次第である。 自分は畫の事は判らない、又美術と云ふものにも誠に昏いのであるから、繪とか鑄金とか云ふ方面から武井氏を知つて居るのではない。只知つて居るのは其精神であり其人格であ

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山峡の凧

牧野信一

百足凧と称する奇怪なかたちの凧は、殆ど人に知られてゐないらしい。竜凧といふのは去年も日比谷で挙げられたが、それよりも稍かたちが小さく、凡そ構造は似てゐるが、それよりもはつきりと日本趣味のもので滑稽味に富んでゐた。風車仕掛の金色の眼玉と赤く長い舌と馬の尻尾の鬚を持ち、団扇型の胴片が左右に棕梠の毛を爪と擬した節足を四十余片つなぎ合せて、空に浮游するとまことに節足

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山峡新春

宮本百合子

山峡新春 宮本百合子 夜中の一時過、カラカラ、コロコロ吊橋を渡って行く吾妻下駄の音がした。これから女中達が髪結に出かけるのだと見える。 私共は火鉢を囲み、どてらを羽織って餅を焼きながらそれを聴いた。若々しい人声と下駄の音が次第に遠のき、やがて消えると、後に川瀬の響が高く冴えた。吊橋にこんもりかぶさって密生している椎の梢の上に黒い深夜の空があり、黒が温泉場らし

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山峡の村にて

牧野信一

その村は、東京から三時間もかゝらぬ遠さであり、私が長い間住なれたところであつたが私は最早まる一年も帰らなかつた。恰度、一年前の今ごろ私はカバンを一つぶらさげて芝居見物に上京したまゝ――。 それ故、またカバンを一つぶらさげて戻つて来た私達の姿を見出したロータスといふ村の酒場の娘は、 「まあ、随分永い芝居見物でしたわね。」 とうらみと苦笑をふくんだ鼻声で、私の妻

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山さち川さち

沖野岩三郎

山さち川さち 沖野岩三郎 一 昔、紀州の山奥に、与兵衛といふ正直な猟夫がありました。或日の事いつものやうに鉄砲肩げて山を奥へ奥へと入つて行きましたがどうしたものか、其日に限つて兎一疋にも出会ひませんでした。で、仕様事なしに山の頂から、ズツと東の方を眺めて居ますと、遙か向ふから蜒々とした細い川を筏の流れて来るのが見えました。 「あの筏が丁度この山の麓まで流れて

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山へ帰ったやまがら

小川未明

英ちゃんの飼っているやまがらは、それは、よく馴れて、かごから出ると指先にとまったり、頭の上にとまったり、また、耳にとまったりするので、みんなからかわいがられていました。 はじめのうちは、外へ飛び出すと、もうかごへはもどってこないものと思って、障子を閉めて、へやの中で遊ばしたものです。しかし、長いうちにいつしかここが、自分のすみかと思ってしまったので、すこしば

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山へ帰りゆく父

小川未明

父親は、遠い街に住んでいる息子が、どんな暮らしをしているかと思いました。そして、どうか一度いってみたいものだと思っていました。 しかし、年を取ると、なかなか知らぬところへ出かけるのはおっくうなものです。そして、自分の長らく住んでいたところがいちばんいいのであります。 「私は、こんなに年をとったのに、せがれはどんな暮らしをしているか心配でならない。今年こそはい

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山庵雑記

北村透谷

山庵雑記 北村透谷 其一 夢見まほしやと思ふ時、あやにくに夢の無き事あり、夢なかれと思ふ時、うとましき夢のもつれ入ることあり。寤むる時、亦た斯の如し、意はざらんと思ふに意ひ、意はんと思ふに意はず。左りとて意の如くならぬをば意の如くせまじと思ふにもあらず、静に傾き尽きなんとする月を見れば、よろづ意の儘にならぬものぞなき、徐ろに咲き出らん花を待つに、よろづ心に任

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山形屋の青春

岸田国士

山形屋の若主人宇部東吉は東京へ商品の買ひ出しに出たきり、もう二週間も帰つて来ない。そのうへ、消息がふつつり絶えたきりになつてゐる。こんなことは今までに例のないことだから、留守居の細君みよ子はもう眼を泣きはらし、父親の紋七はコタツの中でぷりぷり言ひ、近所近辺はその噂でもちきりであつた。 上州三原からバスで鳥居峠を越える県道が、最近の大水で流されたあとへやつとか

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山彦の街

牧野信一

哄笑の声が一勢に挙つたかと思ふと、罵り合ひが始まつてゐる――鳥のやうな声で絶叫する者がある、女の悲鳴が耳をつんざくばかりに聞えたかと思ふと、男の楽し気な合唱が始まつてゐる――殴れ! とか、つまみ出してしまへ! とか、そんな凄まじい声がして、 「あゝ、痛いツ!」 「御免だ……」 「救けて呉れ!」 そんな悲鳴が挙つたりするので、これは容易ならぬ事件が起つたのか!

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山の怪

田中貢太郎

山の怪 田中貢太郎 土佐長岡郡の奥に本山と云う処がある。今は町制を布いて町と云うことになっているが、昔は本山郷と云って一地方をなしていた。四国三郎の吉野川が村の中を流れて、村落のあるのはそれに沿った僅かばかりの平地で、高峰駿岳が一面に聳えていた。 その本山に吉延と云う谷があって、其処には猪とか鹿とか大きな獣がいるので、山猟師をやっている者で其処へ眼をつけない

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山を想ふ

水上滝太郎

山を想ふ 水上瀧太郎 富士の嶺はをみなも登り水無月の氷のなかに尿垂るとふ 與謝野寛氏の歌だ。近頃の山登の流行は素晴しい。斷髮洋裝で舞踏場に出入し、西洋人に身を任せる事を競ふ女と共に、新興國の産物である。一國の文化に古びがついて來ると、人々は無闇に流行を追はなくなるが、國を擧げてモダアンといふ言葉に不當の値打をつけてゐる心根のはびこる限り、生理的に山などへ登つ

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