Vol. 2May 2026

Sách

Thư viện tri thức thế giới miền công cộng

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山想う心

松濤明

山想う心 松濤明 星の鈍くまたたく夜、麦田の上を身を切るような風が渡る。外套の襟を深く立てて東京へ行く一番列車に乗るべく急ぐ田舎道は、霜柱が夜目にも白く、ざくりざくりと足の下に砕ける音を聞いていると、そぞろ山が思い出されてくる。こんな夜の山の寒さはまた格別であろう。それを思えば家にいて温かいこたつに当っている方が数等楽な理であるが、行けないとなると山想う心は

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山の手の子

水上滝太郎

山の手の子 水上滝太郎 お屋敷の子と生まれた悲哀を、しみじみと知り初めたのはいつからであったろう。 一日一日と限りなき喜悦に満ちた世界に近づいて行くのだと、未来を待った少年の若々しい心も、時の進行につれていつかしら、何気なく過ぎて来た帰らぬ昨日に、身も魂も投げ出して追憶の甘き愁いに耽りたいというはかない慰藉を弄ぶようになってから、私は私にいつもこう尋ねるので

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山の手歳事記

正岡容

猿飴の猿に湯島の時雨かな綺堂 古風な彩色を施し市井芸術としての匂ひいと高い昔ながらの木づくりの猿の看板をかかげて本郷湯島の猿飴は、昭和十八年の末ちかくまで本郷三丁目から湯島天神祠へ至る南側の電車通りに、辛くも伝来の営業をつゞけてゐたが已にその舗のたゞずまひは安価低調なバラック同様の和洋折衷館となつてゐて、伝統猿飴の美しき陰影をつたへる何物とても最早なかつた。

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山日記その一

堀辰雄

九月三日 ゆうべ二時頃、杉皮ばかりの天井裏で、何かごそごそと物音がするので、思はず目を覺ました。ちやうど僕の頭の眞上のへん。鼠だらう位に思つて、やがてもう音がしなくなつたので、又すぐ寢てしまつた。 朝、起きぬけにけふこそ一つ仕事をしてやらうと思つて、霧の中をすこし散歩をして歸つてくると、僕を迎へる女房たちの樣子がちよつとばかり變なので、どうかしたのかと訊いて

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山日記その二

堀辰雄

十月九日 こちらはもう秋が深い。冬までゐられさうなことを言つてゐた川端さんも、これからずつと木曾をまはつて鎌倉へ歸ると、さきをとつひお別れに來られたが、たぶんけふあたりはその木曾を旅してゐられることだらう。僕達はいまやりかけてゐる「續かげろふの日記」の仕上がるまでは頑張つてゐるつもりだが、さあ、いつ出來上がることか知らん? 實はその仕事もいよいよこれからとい

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山の春

高村光太郎

山の春 高村光太郎 ほんとうは、三月にはまだ山の春は来ない。三月春分の日というのに、山の小屋のまわりには雪がいっぱいある。雪がほんとに消えるのは五月の中ほどである。つまり、それまで山々にかぶさっていた、氷のように冷たい空気が、五月頃になると、急に北の方へおし流されて、もう十分あたたかくなっている地面の中の熱と、日の光とが、にわかに働きだして、一日一刻も惜しい

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山月記

中島敦

山月記 中島敦 隴西の李徴は博學才穎、天寶の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃む所頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかつた。いくばくもなく官を退いた後は、故山、略に歸臥し、人と交を絶つて、ひたすら詩作に耽つた。下吏となつて長く膝を俗惡な大官の前に屈するよりは、詩家としての名を死後百年に遺さうとしたのである。しかし、文

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山本有三氏作「真実一路」について

岸田国士

山本有三氏作「真実一路」について 岸田國士 婦人雑誌にかういふ本格的な小説が掲載されたことはまさに類例がないのみならず、さういふ小説が、編輯者の期待以上、読者の反響を呼んだといふこともまた、実に画期的であつたといはれてゐる。 なるほど、山本有三氏の作品は、単に良心をもつて書かれ、熱情と信念をもつて世に訴へんとするところを訴へてゐるばかりではない。主題は平明で

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山と村

木暮理太郎

アーヴィングの『スケッチブック』を初めて読んだとき、リップ・ヴァン・ウィンクルの話の冒頭に、カツキル連山が季節の移り更りや天候の変る毎に、いや実に一日の中でも刻々に不思議な色やら形やらを変えるので、遠近のおかみさん達から完全な晴雨計と見做されていたということが書いてあるのを見て、直に思い出したのは故郷の赤城山のことであった、そして外国にも同じような風習が自然

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山椒

北大路魯山人

この刺激食品は香味と辛味がすばらしい特色を持っているところから、成年以上の大人になると、たいがいはこれを好み、日常食膳に喜ばれていることはご承知の通りだ。実さんしょうの佃煮(から煮)はよく知られているが、実さんしょうも味噌漬けとなると、あまり知られていないのではないだろうか。この点が珍しいところだ。 丹波の朝倉山椒というのは、古くから有名で献上品、あるいは大

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山椒魚

北大路魯山人

ひとつ変ったたべものの話をしよう。 長い間には、ずいぶんいろいろなものを食ったが、いわゆる悪食の中には、そう美味いものはない。 「変ったたべものの中で美味いものは?」 と問われるなら、さしずめ山椒魚と答えておこう。 山椒魚を食うのは、決して悪食ではないが、ご承知のように山椒魚は、保護動物として捕獲を禁止されている上に、どこにもいるというものでないから、滅多に

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山椒魚

岡本綺堂

K君は語る。 早いもので、あの時からもう二十年になる。僕がまだ学生時代で、夏休みの時に木曾の方へ旅行したことがある。八月の初めで、第一日は諏訪に泊まって、あくる日は塩尻から歩き出した。中央線は無論に開通していない時分だから、つめ襟の夏服に脚絆、草鞋、鍔の広い麦藁帽をかぶって、肩に雑嚢をかけて、木の枝を折ったステッキを持って、むかしの木曾街道をぶらぶらとたどっ

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山の歓喜

河井酔茗

あらゆる山が歓んでゐる あらゆる山が語つてゐる あらゆる山が足ぶみして舞ふ、躍る あちらむく山と こちらむく山と 合つたり 離れたり 出てくる山と かくれる山と 低くなり 高くなり 家族のやうに親しい山と 他人のやうに疎い山と 遠くなり 近くなり あらゆる山が 山の日に歓喜し 山の愛にうなづき 今や 生のかがやきは 空いつぱいにひろがつてゐる ●図書カード

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山の湯の旅 ――発甫温泉のおもいで――

上村松園

○ 信州に発甫という珍らしい地名の温泉地があります。絵を描く人々や、文士などの間には相当知られているようですが、一般にはまだ知れ渡ってはいないようです。それというのも、一つは土地が草深く里離れがしていて、辺鄙なために少々淋しすぎるのと、もう一つは交通の便もあまりよくはないことと、それから温泉地としてみましても、新規な設備なども整っていないことが、しぜん都会人

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山の湯雑記

折口信夫

山の湯雑記 折口信夫 山の※の巣より出で入 道の上 立ちどまりつつる ひそかなりけり 前に来たのは、ことしの五月廿日、板谷を越えて米沢へ出ると、町は桜の花盛りであった。それほど雪解けの遅れた年である。高湯へ行きたいのだと雇いかけて見ても、どの家でも、自動車を出そうとは言わない。もう半月もせなければ、船阪峠から向うが開きますまいなどと、皆平気でとり合おうともし

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なめとこ山の熊

宮沢賢治

なめとこ山の熊 宮沢賢治 なめとこ山の熊のことならおもしろい。なめとこ山は大きな山だ。淵沢川はなめとこ山から出て来る。なめとこ山は一年のうち大ていの日はつめたい霧か雲かを吸ったり吐いたりしている。まわりもみんな青黒いなまこや海坊主のような山だ。山のなかごろに大きな洞穴ががらんとあいている。そこから淵沢川がいきなり三百尺ぐらいの滝になってひのきやいたやのしげみ

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お山の爺さん

豊島与志雄

おうさむこさむ やまからこぞうがないてきた なーんとてないてきた さむいとてないてきた。 こういう歌を皆さんはご存じでしょう。この歌が流行り始めた頃には、おもしろい話がそれについていたものです。この歌をうたって山の近くでたき火をしていると、一寸法師の子僧が火にあたりに山から飛んでくる、というのです。 ある片田舎の、山の裾にある小さな村に、右のことがどこからか

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どんぐりと山猫

宮沢賢治

どんぐりと山猫 宮沢賢治 おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。 かねた一郎さま 九月十九日 あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。 あした、めんどなさいばんしますから、おいで んなさい。とびどぐもたないでくなさい。 山ねこ 拝 こんなのです。字はまるでへたで、墨もがさがさして指につくくらいでした。けれども一郎はうれしくてうれしく

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どんぐりと山猫

宮沢賢治

どんぐりと山猫 宮沢賢治 をかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。 かねた一郎さま 九月十九日 あなたは、ごきげんよろしいほで、けつこです。 あした、めんどなさいばんしますから、おいで んなさい。とびどぐもたないでくなさい。 山ねこ 拝 こんなのです。字はまるでへたで、墨もがさがさして指につくくらゐでした。けれども一郎はうれしくてうれしく

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山男の四月

宮沢賢治

山男の四月 宮沢賢治 山男は、金いろの眼を皿のやうにし、せなかをかがめて、にしね山のひのき林のなかを、兎をねらつてあるいてゐました。 ところが、兎はとれないで、山鳥がとれたのです。 それは山鳥が、びつくりして飛びあがるとこへ、山男が両手をちぢめて、鉄砲だまのやうにからだを投げつけたものですから、山鳥ははんぶん潰れてしまひました。 山男は顔をまつ赤にし、大きな

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山男の四月

宮沢賢治

山男の四月 宮沢賢治 山男は、金いろの眼を皿のようにし、せなかをかがめて、にしね山のひのき林のなかを、兎をねらってあるいていました。 ところが、兎はとれないで、山鳥がとれたのです。 それは山鳥が、びっくりして飛びあがるとこへ、山男が両手をちぢめて、鉄砲だまのようにからだを投げつけたものですから、山鳥ははんぶん潰れてしまいました。 山男は顔をまっ赤にし、大きな

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山男と男装の美女 ミツキイのジヨンニイ

牧野信一

糧食庫に狐や鼬が現れるので、事務所の壁には空弾を込めた大型の短銃が三つばかり何時でも用意してあつたが、事務員の僕と、タイピストのミツキイは、狐や鼬に備へるためではなく、夫々一挺宛の短銃を腰帯の間に備へるのを忘れたことはなかつた。夜、夫々のベツドに引きあげて眠りに就く時にも枕の下に、それを入れて置くことを忘れてはならない――と約束し合つてゐた。 村里から馬の背

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山へ登った毬

原民喜

山へ登った毬 原民喜 史朗は今度一年生になりました。まだ学校へ行く道が憶えられないので、女中が連れて行きます。女中は史朗の妹を背に負って行くのでした。妹は美しい毬を持っています。その毬は姉が東京から土産に買って来たものでした。毬には桃の花の咲いた山の絵が描いてあります。 さて、ある日、先生が「今日はこれから山へのぼりましょう」と申しました。皆はそれでワイ/\

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山県有朋の靴

佐々木味津三

山県有朋の靴 佐々木味津三 一 「平七。――これよ、平七平七」 「…………」 「耳が遠いな。平七はどこじゃ。平はおらんか!」 「へえへえ。平はこっちにおりますんで、只今、お靴を磨いておりますんで」 「庭へ廻れ」 「へえへえ。近ごろまた東京に、めっきり美人がふえましたそうで、弱ったことになりましたな」 「またそういうことを言う。貴様、少うし腰も低くなって、気位

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