小酒井不木
小酒井不木 · 日语
小酒井不木 · 日语
首段预览
原文 (日语)
それは寒い寒い一月十七日の朝のことです。四五日前に、近年にない大雪が降ってから、毎日曇り空が続き、今日もまた、ちらちら白いものが降っております。 塚原俊夫君と私とは、朝飯をすましてから、事務室兼実験室で、暖炉を囲んで色々の話をしておりました。と、十時頃、入口の扉を叩く音がしましたので、私が開けてみると、二十歳ばかりの美しいお嬢さんが、腫れあがった瞼をして心配そうな様子で立っておりました。 「塚原俊夫さんはお見えになりますか?」 とお嬢さんは小さい名刺を私に渡しました。 「お願いがあって来ましたとおっしゃってください」 俊夫君は私の渡した名刺を見て、 「さあ、どうぞお入りください」 と言いました。その名刺には「遠藤雪子」と書かれてありました。 やがてお嬢さんは俊夫君と卓子に向かいあって腰かけました。 「ご承知かもしれませんが、私が遠藤信一の娘でございます」 「ああ、遠藤先生のお嬢さんですか、先生は相変わらずご研究でございますか?」 と俊夫君は言いました。 令嬢は急に悲しそうな顔になって、 「実は父が昨晩亡くなったのでございます」 「え?」 と俊夫君はびっくりして飛びあがりました。 「それ
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