寺田寅彦 · 일본어
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원문 (일본어)
漫画とは何かという問に対して明確なる定義を下す事は困難であろう。また漫画とそれ以外の絵画との間に截然たる区劃線を引く事も容易ではない。漫画家自身でもおそらく人によってこれに関する所見を異にするに相違ない。今ここで私がせっかく苦心して定義をこしらえても、それは結局甲某の定義にしかなりそうもない。それで以下に漫画として論ずるものも結局私の頭の中にある漫画というものの概念に過ぎないから、それがどれだけ普遍的であるかは私自身には分らない。 私のいわゆる漫画の対象材料となるものはほとんどすべて人間あるいは人間化されたる非人間である。猿であろうが摺子木であろうが、それが純粋な猿や摺子木として取扱われている間は漫画の領域に這入り得ないように思われる。次にその対象の見方および取扱いの上に如何なる特徴があるかと考えてみると、その対象の形態的ないし心理的の現象の中である特別な部分を抽象してその部分を誇大しあるいは挙揚して表示するというのが一つの顕著な点である。例えば鼻の大きい人の鼻を普通の計測的の大きさの比以上に廓大して描いたり、喜怒の感情の発現を誇張した身振りで示すがごときは、最も月並な慣用手段である。
寺田寅彦
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