中野秀人
中野秀人 · 日语
中野秀人 · 日语
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原文 (日语)
文学も効用漸減法に支配されるものである。何と云っても文学を哺むに最も適した土地は貴族社会であった。寝て居て食える社会であった。閑人の社会に文学は生れる。けれども掘り返され掘り返されする内に、此の土地に投ぜられた資本及び労働に対する報酬は減って来た。播かれた種が皆な烏に攫って行かれたり、唐茄子に糸瓜が実ったりして来た。そこで勇敢な人々は第三階級の土地に出掛けて行った。そこでは見慣れぬ珍らしい果実や野菜やらが出来た。今までの沈滞した一律的な文学は、明るい伸々とした世界に出て来た。けれども新らしい文学も旧くならずには居ない。真紅に咲き爛れた椿の花がぼったりと崩れ落ちる様に、咲き遅れたダリヤががっくり前につんのめる様に、むれた風通しの悪い文学はしっかりと根を張った意地の悪い、けれども「力」に満ち満ちた文学に変って来た。第四階級の文学に変って来た。が新しい土地を開拓するには忍耐と勇気とが要る。只上面を眺めて雑草ばかり繁って居るので早くも失望してはならない。無知な無学なプロレタリヤにどんな文学が生れようか、まして日本の労働者と来たら、物質的で飲食と色情と安価な人生観とで固まって居るのだから、堪らな
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