野村胡堂
野村胡堂 · 日语
野村胡堂 · 日语
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原文 (日语)
「八、身体が暇かい」 銭形平次は、フラリと来たガラッ八の八五郎をつかまえました。 「有難いことに、あっしが乗出すような気の利いた事件は一つもねえ」 「大きな事を言やがれ」 二人は相変らずの調子で話を始めました。 「いったい何をやらかしゃいいんで、親分」 「左内坂に忍術指南の看板を出した浪人者があるというじゃないか」 「聴きましたよ、成瀬九十郎とかいって」 「その道場へ、これから入門しようというのだ」 「ヘエー、親分がね、ヘエー、忍術の稽古に」 ガラッ八は滅法キナ臭い顔をして見せます。 「忍術も武芸のうちだというから、教えて悪いことではあるまいが、泰平の世の中に『忍術指南』の看板を出すのは何となく穏やかじゃねエ。それに忍術というものは、甲賀組とか伊賀組とかが公儀から預かって、町人や百姓には稽古をさせるものじゃねえと思っているが、――左内坂のは甲賀流でも伊賀流でもなくて、霞流とかいうんだってね」 「ヘエー」 「御奉行所でもひどく心配なすって、万一謀反の企てでもあっては一大事だから、中へ入って捜るようにという申付けだ」 「ヘエ――」 「これから市ヶ谷左内坂まで行って、成瀬九十郎の門人になろう
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