野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「八、その十手を見せびらかすのを止してくれないか」 「へエ、斯うやりや宜いんでせう。人に見せないやうに」 親分の平次に言はれて、ガラツ八の八五郎はあわてゝ後ろ腰に差した十手を引つこ拔くと、少々衣紋の崩れた旅疲れの懷中にねぢ込むのです。 「だらしがねえなア、房が思はせ振りにハミ出して居る上に、十手の小尻が脇の下に突つ張つて居るぢやないか」 「へエ、まだいけませんかね」 「此處は江戸の眞ん中ぢやねえ、武州忍、阿部豊後守樣十萬石の御城下だ、そんな風をして、後生大事に懷中を押へて歩くと、請合牛蒡泥棒と間違へられる」 「冗談でせう、いかに武藏の國だつて、房の附いた牛蒡なんてものは、ありやしませんよ」 平次と八五郎は、郊外の秋色を愛で乍ら――といふと洒落れて聞えますが、實は川越在の名主、庄司忠兵衞の餘儀ない頼みで、十五里の道を、ブラリブラリと二日がゝりで、町から三里ばかり、赤トンボとイナゴに迎へられ乍ら、どうやら陽のあるうちに、目的の家に着いたのです。 迎へてくれたのは、主人の忠兵衞五十二三、分別者で評判の良い中老人ですが、田舍名主らしく何んとなく權高なところがあります。でも、事件は獨り娘の生命に
野村胡堂
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