萩原朔太郎 · 일본어
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원문 (일본어)
酒といふものが、人身の健康に有害であるか無害であるか、もとより私には醫學上の批判ができない。だが私自身の場合でいへば、たしかに疑ひもなく有益であり、如何なる他の醫藥にもまさつて、私の健康を助けてくれた。私がもし酒を飮まなかつたら、多分おそらく三十歳以前に死んだであらう。青年時代の私は、非常に神經質の人間であり、絶えず病的な幻想や強迫觀念に惱まされてゐた。そのため生きることが苦しくなり、不斷に自殺のことばかり考へてゐた。その上生理的にも病身であり、一年の半ばは病床にゐるほどだつた。それが酒を飮み始めてから、次第に氣分が明るくなり、身體の調子もよくなつて來た。 酒は「憂ひを掃ふ玉帚」といふが、私の場合などでは、全くその玉帚のお蔭でばかり、今日まで生き續けて來たやうなものである。神經衰弱といふ病氣は、醫學上でどういふ性質のものか知らないが、私の場合の經驗からいへば、たしかに酒によつて治療され得る病氣である。一時的には勿論のこと、それを長く續ける場合、體質の根本から醫療されて來るのである。つまり飮酒の習慣からして、次第に神經が圖太くなり、物事に無頓着になり、詰らぬことにくよくよしなくなつて來る
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萩原朔太郎
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