萩原朔太郎
萩原朔太郎 · 日语
萩原朔太郎 · 日语
首段预览
原文 (日语)
最近第一書房からして、僕の選した室生犀星君の詩集が出るので、この際僕の見た室生君を、人物的に略記してみたいと思ふ。尤も僕は、以前から幾度も室生君のことを書き、むしろ書きすぎてゐるほどであるが、最近彼が大森へ移轉して來て、田端以來の舊交が大に温まつたので、また新しく書く感興が起つたのだ。 人物としての室生君は、だれも言ふ如く眞に純情無比の人である。(作品としてもさうであるが、この場合は成るべく人物印象に止めておきたい。)この頃では毎日のやうに彼と逢ひ、親しく酒など飮み合つてゐるが、あまり純情すぎることから、時としては腕白小僧のやうに思はれる。特に議論などする時さうであつて、人の理窟などには耳を藉さず、何でもかんでも俺はかうだと言ひ立てる。それが天眞爛漫だからして、まるで駄々つ子が暴れ出すやうで、なんとも言ひがたく純眞である。彼と親しくしてゐるお蔭で、僕は自分の中の最も美しい「純粹のもの」を、いつも失はずに持つてゐられる。その點だけでも、彼は僕にとつての益友だが、あんまり腕白小僧の我武者羅が強い時には、さすがに僕も腹が立つて、時々子供同士のやうな喧嘩をする。 室生と交際をしてゐる間、不思議
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