樋口一葉 · 일본어
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원문 (일본어)
月の夜 樋口一葉 村雲すこし有るもよし、無きもよし、みがき立てたるやうの月のかげに尺八の音の聞えたる、上手ならばいとをかしかるべし、三味も同じこと、琴は西片町あたりの垣根ごしに聞たるが、いと良き月に弾く人のかげも見まほしく、物がたりめきて床しかりし、親しき友に別れたる頃の月いとなぐさめがたうも有るかな、千里のほかまでと思ひやるに添ひても行かれぬものなれば唯うらやましうて、これを仮に鏡となしたらば人のかげも映るべしやなど果敢なき事さへ思ひ出でらる。さゝやかなる庭の池水にゆられて見ゆるかげ物いふやうにて、手すりめきたる処に寄りて久しう見入るれば、はじめは浮きたるやうなりしも次第に底ふかく、此池の深さいくばくとも測られぬ心地に成て、月は其そこの底のいと深くに住むらん物のやうに思はれぬ、久しうありて仰ぎ見るに空なる月と水のかげと孰れを誠のかたちとも思はれず、物ぐるほしけれど箱庭に作りたる石一つ水の面にそと取落せば、さゞ波すこし分れて是れにぞ月のかげ漂ひぬ、斯くはかなき事して見せつれば甥なる子の小さきが真似て、姉さまのする事我れもすとて硯の石いつのほどに持て出でつらん、我れもお月さま砕くのなりと
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樋口一葉
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