堀辰雄 · 일본어
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원문 (일본어)
私は十七になつた。そして中學校から高等學校へはひつたばかりの時分であつた。 私の兩親は、私が彼等の許であんまり神經質に育つことを恐れて、私をそこの寄宿舍に入れた。さういふ環境の變化は、私の性格にいちじるしい影響を與へずにはおかなかつた。それによつて、私の少年時からの脱皮は、氣味惡いまでに促されつつあつた。 寄宿舍は、あたかも蜂の巣のやうに、いくつもの小さい部屋に分れてゐた。そしてその一つ一つの部屋には、それぞれ十人餘りの生徒等が一しよくたに生きてゐた。それに部屋とは云ふものの、中にはただ、穴だらけの、大きな卓が二つ三つ置いてあるきりだつた。そしてその卓の上には誰のものともつかず、白筋のはひつた制帽とか、辭書とか、ノオトブツクとか、インク壺とか、煙草の袋とか、それらのものがごつちやになつて積まれてあつた。そんなものの中で、或る者は獨逸語の勉強をしてゐたり、或る者は足のこはれかかつた古椅子にあぶなつかしさうに馬乘りになつて煙草ばかり吹かしてゐた。私は彼等の中で一番小さかつた。私は彼等から仲間はづれにされないやうに、苦しげに煙草をふかし、まだ髭の生えてゐない頬にこはごは剃刀をあてたりした。
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堀辰雄
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